過去ログ - 澪「グレイッシュ・ガール」
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18:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/12(火) 18:11:36.29 ID:+HxJNIVIo

【謝】


寮へ戻って律の部屋に向かうまで、私はずっと泣いていた。
私が愚かだった、自業自得だったという事実が、今まで私が胸の内で重ねてきた律への罪悪感を爆発させた。
本当に、みっともないくらい涙を流すばかりだった。


律「うわっ、どうした澪、唯!?」

唯「りっちゃん! あのね――」


律の部屋に着き、唯が事情を説明する。
唯が罪を被ろうとしたところは、必死で声を振り絞って否定した。
そして、一番言わなくちゃいけない言葉も、どうにか搾り出す。


澪「りづぅ……い、いままでごめん……」


ちゃんと言えた……と思う。
許してもらえないに決まってるけど、ちゃんと言わないといけない。
私は、唯一無二の親友を傷つけ続けたんだから……


律「そ、そんなことでここまで大泣きしてるのか!? 落ち着け澪! そんなのとっくに知ってるから!」

唯「……へ?」


…………へ?



律「――いや、スマン、自分から言い出すまで待ってようと思って……。あとバレてないつもりのおまえら見てるの楽しかったし」

唯「そ、そんな……」


ほら、と律がペットボトルのジュースを手渡してくれる。
久しぶりに入った律の部屋は思ったより片付いてて、床に三人座ってもまだ余裕があった。
私がジュースに口をつけたのを見て、律が続きを語りだす。


律「でも……澪がそんなに自分を追い詰めてるなんて気づかなかった。去年のアレもいつものやり取りに思えたしな……ごめんな澪、気づいてやれなくて」


律いわく、私達が付き合い始めたのはすぐに察したらしく。
去年、曽我部先輩と会うのをごまかすためにどうするか、となった時に「彼氏」という案を真っ先に採用したのも私達がいたからだという。


澪「じゃ、じゃあ律、怒ってないの……?」

律「怒るも何も、私は見て楽しんでたからなー。私に隠してる理由も、もしかしたら日頃の仕返しじゃないかって思ったくらいだし……」

唯「りっちゃん……業が深いよ……」

律「うん……むしろ澪が私達のことを思って隠そうとしてたなんてな。自分の小ささが嫌になるぜ……」

澪「そんな……褒められるようなことじゃないよ……」

律「二人の仲がなかなか進展しないのも、私達に気を遣ってたからだったんだな」

唯「それは普通に私も澪ちゃんもぴゅあぴゅあはーとだったからだね」

律「座布団没収」

唯「あーん」

澪「……ぷっ」

律「お、やっと笑った」



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