過去ログ - 澪「グレイッシュ・ガール」
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22:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/12(火) 18:15:29.86 ID:+HxJNIVIo

唯「私の隠し事も、ちゃんと話すから。話して、話し合って、澪ちゃんがこんな私がイヤだって言うなら――」

澪「わ、別れたくはないからなっ!? 唯の秘密がどんなものなのか想像はつかないけど、ずっと好きだったんだから余程のことじゃないと嫌いになんてならないからな!?」

唯「……よっぽどのこと、かもしれないよ」

澪「………」


そりゃそうだ。
唯が「怖い」と言い、「胸が痛い」と言い、泣きそうな顔で明かそうとしてるんだ。
余程のことであるという覚悟を、明かされる側の私はしないといけない。そうでなきゃ失礼だ。
だから、唯の秘密は余程のことであり、私がそれにショックを受ける、という前提で考えないといけないはずだ。


澪「…………」


私は考えた。
唯は何も言わず、私の返事を待ってくれた。
そして、私が考え、至った答えは。


澪「……ごめん。どうなるか、聞いてみないとわからない」


そんな情けないものだった。
他に何も思いつきやしなかった。
つくづく私はダメなやつだった。


唯「……だよね、えへへ」

澪「……でもっ!」


でも、困ったように笑う唯に、先に言っておきたいことくらいはある。


澪「私は、明かすのが怖いっていう唯の気持ちは、よくわかるつもりだ」

唯「………」

澪「だから今すぐ明かせなんて言わない。明かさなかったせいでひどいことになった私だから、それが正しいなんて絶対言い切れないけど……」

唯「……あはは」

澪「そして、これはただの私の理想だけど。どんな秘密だったとしても、笑って受け入れたいって思ってる。律やムギみたいに」

唯「…………」

澪「でも、それを信じろ、なんて言えないのもわかってる。相手を信じていても、一歩を踏み出すのは結局自分の意思だから、勇気を出せるかどうかなんだよな。ほら、例えるならバンジージャンプみたいに」

唯「う、うん」


相変わらず困ったように笑う唯に、私の言葉は届いているだろうか。


澪「バンジージャンプで背中を押されたりしたら私なら怒るから、私は唯の背中を押すようなことは言わない」

唯「……うん」

澪「でも、私は唯が勇気を出して行動したら、それを受け入れたいと思ってる」

唯「うん」

澪「だから……えっと……そうだ、バンジージャンプで例えるなら唯の次の人が私で、唯が跳んだら私もすぐに跳ばなきゃいけないような立場なんだ!」

唯「……澪ちゃん?」ジト

澪「うん、ごめん、何言ってるかわかんなくなった……」

唯「そもそも無理してバンジーに例え続けなくても……」

澪「そうだな……」


こんな言葉で何が届くというのだろうか……
と思ってたけど、意外にも唯は笑っていた。



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