35:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/12(火) 18:31:36.21 ID:+HxJNIVIo
紬「もしかしたら、私のせいかも……唯ちゃんが遅いの」
澪「えっ? どういうこと…?」
紬「あの、今日のミステリーサークルの写真見せたらね、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけだけど、表情がこわばったように見えて……」
澪「………」
……どうやら、そろそろ核心に触れることが書かれていたらしい。
だとしたら今、唯は悩んでいるのだろうか。考えているのだろうか。
でも、どんなことが書かれていて、どんなに唯が悩んだとしても、きっと唯は私には話してくれる。
宇宙人であることを隠し続け、あれだけ悩み苦しんだ唯だから。最悪でも私にだけは話してくれる。はず。
澪「っていうかそれ、別にムギは悪くないような……」
紬「で、でも、わかんないし……」
律「まあ、唯が来たら聞いてみようぜ。もし私達には言えないことでも、カノジョには言うだろうし」
澪「……茶化すな」
と言いつつも、内心は私もそう信じていた。さっきも言ったけど、唯だから言ってくれると信じていた。
……でも、そうはならなかった。
ほんの数分後に私の部屋を訪れた唯の口から放たれた言葉は、そういうものではなかった。
唯「……ごめん、みんな。私、実は宇宙人なんだ」
律「………」
紬「………」
唯「それでね、ムギちゃんちのミステリーサークルでね、私、呼び出されたから……できるだけ早く帰らなくちゃいけないんだ」
澪「………」
唯「それでね……その……えっと、帰っていい、かな?」
律「……落ちてるものでも食べたか?」
唯「ひどい!」
律「いや、だってそんな一気に言われて信じろっていうのもなあ」
紬「私は……信じたいな。唯ちゃんの言うことだし……」
律「えぇー……私も唯がそんな器用にウソが吐ける奴だとは思ってないけどさ……でもさあ、宇宙人って……なあ澪?」
澪「あ、いや、悪い律、私はそこは信じてる」
律「マジかよ。……じゃあ私もそこは信じるよ」
唯「……ありがと」
そう、そこまではいいんだ。
律達にとっては驚きの事かもしれないけど、私にとっては知ってた事。
律達には悪いけど、私にとっての問題は、その先。
澪「……で、唯、相手は誰だったんだ?」
唯「………」
紬「……家族、とか?」
無言で首を振る唯。
律「じゃあ誰だ?」
唯「…………ごめん、それだけは言えない」
「言えない」と、ハッキリ言われた。
隠し事をされた。
あまりこういう言い方はしたくないけど……裏切られた気持ちになった。
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