46:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/12(火) 18:47:53.18 ID:+HxJNIVIo
唯父「こら、急に言っても迷惑だろ。親御さんの許可もいるだろうし、秋山さんに至っては今日こっちに帰ってきたばかりなんだろう? ご家族だって会いたがっているはずだ」
澪「あ、いえ、親には言ってみないとわかりませんけど、私自身は迷惑だなんてことは……むしろ嬉しいです」
唯父「そうかい? 秋山さんに問題がなければ、僕としても大歓迎だけど」
唯母「梓ちゃんは?」
梓「……そうですね、じゃあ、お世話になります」
さっきは戸惑っていたのに、この短時間で決めたのか、梓は。
……いや、昔からハッキリするべきところはハッキリする子だったな、梓は。
澪「私は一度帰って、親に聞いてみていいですか? 泊まるなら着替えも持ってこないといけませんし」
唯父「わかった」
憂「……あ、あの、澪さん」
澪「……ダメって言われても、ちゃんと結論は出して伝えるよ、憂ちゃん」
……そうだ、憂ちゃんの悩みを預かった責任はある。
解決策は見えないけど、そこから逃げるつもりはない。
梓「あっ、私も着替え取りに戻ります。途中まで一緒に行きましょうか、澪先輩」
澪「え、うん、いいけど」
梓がそう言い出すことと、言ってること自体はそこまで不自然な行動ではない。……ないはずなのに面食らってしまった。
どこかで感づいていたんだろう。それだけで済むわけがない、と。
【彼女の夕暮れ あかね色】
梓「――ズルいです、澪先輩は」
やはりというか、玄関をくぐって外に出た瞬間、梓からそう言われた。
澪「な、何がだ?」
梓「……両親公認の仲なのが、です」
澪「い、いや、あれは……唯が勢いでバラしちゃっただけだし」
梓「その前に澪先輩自身も言ってるじゃないですか」
澪「あれはそんなつもりじゃなかったんだって! 自分でも言い方が悪かったって思ったよ! 本当に!」
梓「……ふふっ、わかってますよ。澪先輩は真面目だから、時々周りが見えなくなるんです。知ってます」
澪「……私は梓にこんなイジワルな一面もあるなんて知らなかったよ」
梓「憂はきっと知ってますよ。逆に私の知らない澪先輩の姿も、きっと唯先輩なら知ってるんでしょうね」
澪「……そうかな」
梓「そうですよ、きっと。人を好きになるって、きっとそういうことです」
「……私も、前まではそう思っていたよ」
唯の秘密を知る前の私なら、きっとそう返しただろう。でも知ってしまった今の私なら、そんなことは到底言えない。
唯の知らなかった面を、告白してからたくさん知った私なら。唯自身がひた隠しにしていた秘密まで知った私なら。
紆余曲折あって、ずいぶん時間もかかったけど、結局は私が唯に告白したからこその結果だ。
だからやっぱり、人を好きになるって、そういうことだと思う。
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