過去ログ - いろは「せんぱーい、いちゃいちゃしましょー」八幡「無理」
1- 20
319: ◆0VD9jUhKiA5S[sage]
2015/08/06(木) 01:52:36.81 ID:vdmfYdDp0
プロローグ


『じゃあ、元気でな』

高校二年生の時の三月三日、卒業式が終わってから会いに行った私に、あの先輩はそう告げた。

別に、恋をしていたわけじゃない。最後に告白でも、なんて思っていたわけじゃない。

ただ、色々とお世話になったし、最後にお礼くらいは言おうと思っていただけだ。

三年生たちの輪から外れてポツンと立っている先輩を発見した時、息を呑んだ。その瞳にある深い、深い悲しみに。そして、その瞳が誰と誰に向けられているのかも察した。

急に「ご卒業おめでとうございます」の一言が出なくなって、私は先輩の近くで立ち止まって黙りこくってしまった。ふと先輩はこちらに気づき、驚いたような表情をしてから控えめに微笑んだ。記憶の中で数少ない先輩の笑顔だった。

最後に見るかもしれない笑顔、だった。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
348Res/110.72 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice