過去ログ - 蘭子「眩しさへ、手をのばそう」
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16: ◆1qWFc3G9Mc[saga]
2015/07/05(日) 20:08:52.94 ID:izcGGKQU0
食卓では私はだんまりだった。みくちゃんとアーニャちゃんがただ談笑するだけで、李衣菜ちゃんは黙々と食べ進めていた。

食事を終えると、私と李衣菜ちゃんの二人きりで私の部屋にいた。みくちゃん達は空気を読んでのことか、それぞれ自室にいるのだろが、私には心細かった。というよりは、今は李衣菜ちゃんと二人きりにはなりたくなかった。

「蘭子ちゃんさ、さっきどうして逃げちゃったの?」

「それは…… 怖くなって……」

「嘘だ」

意外だった。こういう状況なら誰であろうと「うんうん」と首を縦に振って賛同してくれるものだと思っていた。まさか何の根拠もなしに否定されるとは思いもしなかった。

「嘘だね。だってあの曲、怖いところなんて一つもないもん」

「えっ……と、そうじゃなくて!……あれは、私だったから……」

「あれが?蘭子ちゃん?どういうこと?」

「……似てたの」


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