2:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/14(木) 09:38:29.01 ID:Ro8+Xr6P0
時雨「………静かだね」
提督「そうだな。天気が悪いと鳥は飛ばないし、街は家に引きこもるからな」
時雨「いつからこんな静かになったんだろうね」
3:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/14(木) 09:51:12.91 ID:Ro8+Xr6P0
時雨「実際少し落ち込んでいるのかもね。僕たちの家は僕たちにとってもはや広すぎるから」
提督「閑散と広がる空間に抱く寂寥感か」
時雨「寂寞としているのは空間だけじゃないよ。時間もだよ」
4:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/14(木) 10:02:20.44 ID:Ro8+Xr6P0
時雨「今日も曇り空だね」
提督「………そうだな」
時雨「深海棲艦を倒して海に平和を取り戻したら、今度こそ平穏な生活が待っているんだって思ってたよ」
5:名無しNIPPER[sage]
2015/05/14(木) 10:02:57.05 ID:hN2N8oGyO
serial experience rainかな?
6:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/14(木) 10:15:36.81 ID:Ro8+Xr6P0
時雨「そうじゃないんだ。まだ戦いは続いている。そこで僕たちの仲間が傷ついているんだ。それなのに僕は何も出来ないんだ」
提督「すまない」
時雨「提督が謝ることはないよ。君といる時間を僕は気に入っているんだ。ただこの甘い平穏は、水平線の暗幕の裏で火花を育てるためにどれだけの血の雨を必要とするかを忘れさせようとしてくるんだ。だから、この平穏は僕にとって少し苦手なものなんだ」
7:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/14(木) 10:30:01.04 ID:Ro8+Xr6P0
提督「それは………」
時雨「それは?」
提督「世界を救った英雄が多すぎたんだ。これに尽きる」
8:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/14(木) 10:49:03.99 ID:Ro8+Xr6P0
時雨「ここ最近曇り空ばかりだね。太陽を久しく見ていない気がするよ」
提督「そうだな。安直な小説なら、これから雲の切れ間から光が差して事態は好転するんだろうよ」
時雨「僕たちは変わらないね」
9:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/14(木) 11:18:13.67 ID:Ro8+Xr6P0
提督「最初はきっと鬱憤からの悪ふざけだった」
時雨「鬱憤かい?」
提督「ああ、戦績をあげても一向に政府から褒賞が支払われないばかりか、政府は鎮守府の自由出撃を制限しようとしたからな。各々の提督は不満を持っていたんだ」
10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/14(木) 11:29:41.93 ID:Ro8+Xr6P0
提督「まあ、そんな訳で期待していた賞賛もなく、ただ黙って海を引き渡せと言われた提督達は鬱憤が溜まっていたんだ。既得権益の侵害ほど神経を逆撫でるものもない」
時雨「いつの頃だったか、街で泣いている女の子を見かけたんだ。理由を聞いてみると、500円玉を落としたらしい。それぐらいだったらって僕は彼女にあげたんだ。500円玉。どう返事したと思う?」
提督「………さあな?」
11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/14(木) 11:44:05.39 ID:Ro8+Xr6P0
提督「そうだ。鎮守府はほとんど演習しかできなかった。その時に誰かが実弾を積み込んだんだ。なんせ出撃できないから弾薬は余りまくっていたから、使いどころに困った挙句、そんな悪ふざけに至ったのだろう」
時雨「ひどいことだね。でも、演習だから最悪の事態にはならなかったんだろう?」
提督「相手の駆逐艦を一隻轟沈させたよ」
12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/05/14(木) 11:50:49.66 ID:Ro8+Xr6P0
提督「そうだ。対深海棲艦だ。では時雨、何故わざわざ人類は深海棲艦用に艦娘を用意する必要があったと思う?」
時雨「それは深海棲艦の装甲が特殊で既存の人類兵器では撃破に効果が薄かったからじゃないのかい」
提督「そうだ。深海棲艦の装甲は特殊なんだ。しかし、一つ注意しておかねばならないことがある」
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