過去ログ - >>3と>>5って勝負したらどちらが強いの?
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名無しNIPPER
[sage]
2015/05/14(木) 17:50:14.97 ID:9vO6Y5F9O
満足げに霞は呟いた。<br />
「だったら今からでもアイツの所に行ってアンタの思いを伝えてきなさいよ。」<br />
「えっ?今から!?」<br />
「兵は拙速を尊ぶってかの孫子も言ってるわ。グズグズしてアイツを誰かに寝取られたらそれでお終いよ。」<br />
「わ、分かったわ…行ってくる。」<br />
「また途中撤退なんてしてきたりしたら私がアンタの事を雷撃処分するから覚悟しときなさいよ。」<br />
恐ろしい事を言っているが顔は笑っている。不器用な彼女なりの私へのエールなのだろう。<br />
「なんならそのままアイツと夜戦に突入してきても良いわよ。アンタの同室の雪風には私から言っておくから。」<br />
「茶化さないでよ…」<br />
と、霞に見送られて私は提督のいる執務室に進撃した。 </div></noscript><div style='padding:24px; line-height:2; font-size:12pt; display:none; min-height:600px;text-align:left;' id="preview_area"><textarea name="novel_text" style="width: 660px; height: 500px; border: 1px solid rgb(165, 172, 178); margin-bottom:10px" id="novel_text"> フー、っと息を吐き出しながら私は敵フラグシップ級のル級に狙いを定める。夜の闇のせいでル級はこちらの位置をまだ把握していない。
腰の魚雷発射管に装填されているのは必殺の61cm酸素魚雷である。直撃すれば一撃で戦艦でも空母でも葬り去れるそれはかつての戦争で連合軍からロングランスと恐れられた。駆逐艦から大型艦艇へ唯一致命傷を与えられる「槍」を私は放つ。
バーンという威勢のよい音と共に発射された計6発の酸素魚雷はル級に向かって海中を走っていく。私は心の中で命中までの時間をカウントする。
(…5、4、3、2、1…外れた!?)
炸裂音もしないし水柱も上がらない。ル級はこちらに気づいたようだ。ル級の16inch3連装砲の砲口と目が合った。背筋が凍る。
次の瞬間16inch砲が火を吹いたのが見えた。回避しなければ。と、頭では思うが体が反応しない。
次の瞬間、赤いペイント弾が私の腹に命中する。実戦だったら良くて大破。最悪轟沈していただろう。
見届け人兼教官役として付いて来ていた神通がル級を模した標的を回収している。この標的は自律して動き敵として認識した物にペイント弾を発射する仕掛けが付いている。他にも幾つかタイプがあり深海棲艦との戦いを意識した訓練の時には有用だった。
「珍しいわね、アンタがやられるなんて。」
脇から訓練の様子を見ていた霞が声をかけてきた。胸元に着けてある「18」と書かれた部隊章が目を引く。それはピカピカに磨き上げられており彼女が自分の所属している部隊に誇りを持っているという事が伺えた。
「あぁ、ちょっと今日は調子が悪くて…」
「…アンタ、何かあったんじゃないの?」
「別に何も無いわよ。」
「嘘おっしゃい。アンタと私の仲じゃない、それくらい分かるわよ。」
前世で同じ隊に所属した事もあり、坊の岬沖海戦でも共に戦った彼女とは現在でも友人同士である。
「訓練終わったら少し付き合うわよ。相談に乗るくらいならしてあげるから。」
彼女の性格は若干トゲトゲしい所があるものの、信用足りうると認めた相手にはとことん親身になってくれる。私はそんな彼女の性格は嫌いじゃない。
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