過去ログ - >>3と>>5って勝負したらどちらが強いの?
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73:名無しNIPPER[sage]
2015/05/14(木) 17:59:17.66 ID:9vO6Y5F9O

演習海域

「ちょっと不味いことになったわね…」
 私は脇にいる霞に呟く。
「今更そんな事言ってもしょうがないわ。やれるだけの事はやりましょう…」
 私の不安の原因は金剛さんの艦隊のメンバーにあった。演習開始前に相手のメンバーと顔合わせをしたが、参戦している艦娘は金剛さんに榛名さん、大鳳さんに瑞鳳さん、そしてイムヤさんである。ここまではある程度予想が出来ていた。一航戦の錬度なら多少数的不利があっても大鳳さんや瑞鳳さんの航空隊は十分相手出来るし、私達も攻撃はある程度回避出来る。後はイムヤさんの雷撃を警戒しながら落ち着いて対処すれば良い。しかし問題は6人目の艦娘にあった。
「加賀さんが敵に回るとはね…」
 大和さんも不安そうに呟く。
「加賀さんの航空隊相手に私も何処まで対処できるか…かくなる上は先手必勝。先に敵を見つける事に全力を尽くしましょう。」
 先程から赤城さんは彩雲を飛ばし、電探を装備している艦娘はそれを起動させている。既に戦闘は始まっている。通常演習のルールではお互いの初期位置は知らされない。そこから各艦隊の偵察機や電探を使って相手を発見する事から始まる。その後は模擬弾を使用しての砲撃戦と雷撃戦だ。今回は空母がいるので状況によっては戦闘機同士のドッグファイトと対空戦闘を行うかもしれない。対空機銃を搭載してきて良かったと思う。ちなみに機銃の操作は艦娘の意思で行うのではなく、それを操作する妖精さんがいる。

「でも…何で加賀さんが向こうにいるんでしょう?雪風は加賀さんも提督狙いとか聞いた事がありません。」
 雪風が比叡に聞く。
 私も加賀さんが提督に対して恋愛感情を抱いているという話は聞いた事が無い。女性ばかりの職場なのでこの手の噂はすぐに広まるものだが、加賀さんに関してはそういう浮ついた話は聞いた事が無かった。
「…可能性としては…あの人風紀とかにうるさいからそれで反対してるんじゃない?」
「あー、それはあるかもしれませんね…」
 この場合比叡さんの予想が一番可能性があるだろう。加賀さんは鎮守府や艦隊内の風紀に関して特にうるさい。飲兵衛な隼鷹さんなどはしょっちゅうお説教されてるという。聞いた話によるとこの加賀さんの性格は前世によるものらしい。
 何でもかつて「航空母艦」加賀の風紀は特に乱れていたらしい。大抵艦内の風紀というのは大型艦になるほど乱れるものだ。これはその分人がたくさん乗っているので仕方が無い事である。その中でも加賀の治安の悪さは特に酷かったらしく銀蝿が公然と行われたり、いじめやしごきのせいで脱走兵や自殺者が特に多く出たらしい。逆に私達駆逐艦などの小型艦、とりわけ私や雪風や霞の様な長く生き残った艦だと乗組員も皆気心が知れた仲になっており上から下まで一枚岩な事が多かった。
 おそらく「艦娘」である加賀さんが風紀に厳しいのはそういう重い前世の影響なのだろう。だからといって私は提督の事を諦めるわけにはいかない。

『こちら彩雲3番機より赤城へ、敵艦隊発見!戦艦2、空母3。方位―』
「…どうやらこちらの方が早く動けたようですね。」
 そう言いながら赤城さんは艦載機の発艦に取り掛かる。彗星、流星などが飛び立っていく。戦闘機隊は警戒も兼ねて既に発艦している。
「見つけたのは5隻だけですか?」
 と、比叡さん。
「イムヤさんはもう潜ってるんでしょうね。」
 それに対して大和さんが返事する。
「潜水艦は嫌いだわ…霧が出てない分まだマシだけど…」
 そう霞が忌々しそうに吐き捨てた。

 そんな中赤城さんの哨戒中の戦闘機隊から連絡が入る。
『烈風13番機より赤城へ、敵偵察機発見。塗装からして瑞鳳の所属機だろう。』
 空母所属の艦載機は塗装で何処の空母の所属か分かる様になっている。
「倒しましたか?」
『いや、逃げられた。撃墜判定も出てない。多分こっちの位置もバレただろうな…』
「…了解です。しばらくしたら敵機も来るはずです。それまで爆雷撃機の護衛以外は上空待機しててください。」
『烈風13番機了解。加賀の連中か…厳しい戦いになりそうだ…』
「…これで条件は五分五分。航空機の数からいって若干こちらの不利ですね…」



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