331: ◆v5iNaFrKLk[saga]
2015/06/03(水) 23:58:58.03 ID:e1TAfNTq0
続く川内は――
川内「うわっ、後輪滑ってた!あんなのアリ!?」
川内「でもあれで行けるってことは、私にも出来そうね」
2サイクルエンジン特有の乾いた音を響かせ、川内もコーナーへ進入。
まだぎこちないライディングフォームだが、持ち前の運動神経を武器に見よう見真似で天龍のラインをなぞる。
後輪が滑り出す予兆はみられない。
川内「……いけたっ!よしっ!」
直線を挟んで次の右コーナー。
再び天龍は後輪を滑らせつつ駆け抜ける。
負けじと川内も突っ込み重視のラインで暴れるNSRを捻じ伏せる。
年々進化していたNSRの中で最もピーキーな特性を持つと云われた88年式MC18型だが、既に彼女の手中に収まっているようだ。
2コーナー目を抜けたところで、カタナが直線で稼いだアドバンテージは削られ、さながら戦闘機の攻防を思わせる接近戦と化していた。
天龍「なんだよアイツ、しっかり着いて来てんじゃねぇか」
天龍「フフフ……そうじゃなくっちゃ面白くねぇ。ここからが俺の本気だ!」←既に割と本気
パワーに任せて逃げようとする天龍のカタナ。
しかし川内のNSRは全く離れない。
川内「集中集中……」スーハー
川内「勝負どころを見誤るな、テールを追うな、前を見ろ……今は着いて行けているんじゃない、まだ引っ張られているだけ……」ブツブツ
自他共に認める夜戦バカな川内は、裏を返せば好戦的な性格とも取れる。
しかし夜戦という特殊な環境下。漆黒の闇の中で肌に受ける感覚を常に研ぎ澄ましてきた彼女は、同時に状況を冷静な判断力と大胆な即決性を身に付けていた。
特に改二改修を受けてからはその能力は更に磨かれ、豊富な運動量と相まってか冗談でも何でもなく正に「忍者」と呼ぶに相応しい。
最も、それが走りに直接影響するかは別問題ではあるが。
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