536: ◆v5iNaFrKLk[saga]
2015/07/23(木) 23:43:28.41 ID:ruM7a1Ex0
狭い横羽線を驚異的なペースで駆け抜ける川内Z。
猫の目のように目まぐるしく状況が変わる都高で、まるで全てを見切っているかのように一般車両の間を縫う様は、流石歴戦の艦娘……取り分け夜戦に情熱を注ぐ川内型一番艦と云うべきか。
しかし由良の言葉通り、余裕は微塵も無い。
川内「……っ!」
どんなに必死で踏み込んでも、まるでサーチライトの如くRX−7のヘッドライトが室内を照らしてくる。
離れない――。
大粒の汗が首筋を伝う。
赤城「なかなか良い腕前ね。だけど、詰めが甘い」
空港西トンネル手前の下り左コーナーで、いよいよ赤城が動きを見せる。
ブレーキングのポイントを奥に取り、アウト側からZを抜きに掛かった。
荒れた路面をものともせず、ほぼカウンターステア無しの見事なコーナリング。
一方無理なペースと重い車重が祟ってか、Zのタイヤは熱ダレ気味。
ズルズルと外に逃げて行く車体は、川内が思い描くラインと大きな誤差が出ていた。
川内「〜〜〜っっ!!」
あっさり先行を許してしまったことが更に彼女の気に触れたのか、尚もアクセルを緩めようとしない。
必死に食らいつこうとするものの、コーナー出口で挙動が乱れてしまった。
赤城RX−7は既に遥か前方。
たった一つのコーナーで、ここまで差が付いてしまうのか。
云い様もない敗北感が込み上げる。
修正に気を取られている内に、今度は夕張180SXが抜いて行った。
夕張『無茶し過ぎよ!諦めなさい!』
川内「やだっ!」
夕張『タイヤもエンジンもタレてきてるでしょ!それ提督のクルマなんだから、これ以上無理すると何が起きるか分からないわよ!?」
川内「このまま負けるなんてヤダッ!」
夕張『意地張るなっ!今回ばかりは相手が悪過ぎる!』
川内「うぅ〜っ……!!」
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