647: ◆v5iNaFrKLk[saga]
2015/08/14(金) 16:06:17.31 ID:kCyzMtjQ0
提督「そもそもこのRは、俺のクルマじゃないのよ」
夕張「え?」
提督「正確には、その当時付き合っていた彼女のクルマだ」
提督「まあ変わり者でさ。華奢で線の細い見た目のクセに、機械科の大学出でな。知り合った時には、既にこのRに乗っていた。まあ、殆どノーマルだったけど」
提督「その頃、俺も岩崎も都高では名前が売れていた。で、何処から聞きつけたのか、実際にそんな速いワンエイティが居るのか見てみたかったと」
由良「本当に変わった人だったんですね……」
提督「そっから意気投合して、男女の関係になるまでにもそう時間は掛からなかった。お互いクルマが好きだったし、同い年だったから話題も事欠かない」
朝日「私の所にもよく顔を出しては、作業を手伝ってくれていました」
提督「一方でワンエイティでは限界を感じ始めていた。乗り換えを考えていると打ち明けたら、このRに乗れと勧められたんだ」
提督「色を塗り替え、エンジン・足回り・ボディ……出来ることは全てやった。完成した時には、感極まって泣いていたな」
朝日「これが当時の写真です。岩崎君も一緒に写っていますね」
由良「……え!?」
夕張「扶桑さんにソックリ……!?」
提督「最初に扶桑と会った時は腰抜かしたよ。生まれ変わって艦娘になったのかって思ったわ」
夕張「生まれ変わって……?」
提督「……死んだよ。このクルマでな」
夕・由「……!?」
提督「このRが組み上がった時は、そりゃあもう速かった。あれだけ苦労していたワンエイティは一体何だったんだって程にな」
提督「で……俺と岩崎が見た目と速さから、Vシネ版の湾岸ミッドナイトに肖って魔王Rと呼び始めた。今思えば、それがコイツを本当に魔王にしてしまうキッカケだったのかもな」
902Res/673.84 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。