703: ◆v5iNaFrKLk[saga]
2015/08/20(木) 14:36:10.56 ID:5Nav4SI40
扶桑「ここも、だいぶ賑やかになったわね」
夕張「え、ええ……私の後にも、着任した子も居ますしね」
扶桑「最初は提督の指揮の下、私や山城、古鷹さんに龍驤ちゃんが戦力の中心で……叢雲ちゃんが全体を纏めていて」
扶桑「ココに移ってからは、水雷戦隊がだいぶ充実して。最も、ウチは遠征中心の分署だから、規模は大きくないけれど」
扶桑「あの頃は毎日大変だったけど、楽しかったわ……」
夕張「………」
扶桑「でもね、提督は……山城と口喧嘩したり、叢雲ちゃんには甘えたりしているけど……私の所にはあまり来なかった……」
扶桑「あの人、私とは何処か一線を引いていた。最初は気のせいかと思っていたけれど、何処か引っかかっていたの」
扶桑「でもある時……偶然執務室であるモノを見てしまったのよ。まだ若い提督と……私ソックリの女性が並んだ写真……」
夕張(亡くなった……彼女さんだ……)
扶桑「それを見て、確信したわ……ああ、私はこの人に似ているから距離を置かれているんだ、と」
扶桑「それと同時に、気付いてしまったの。この胸の引っかかりは、私が提督を慕っている……好きだからだって」
扶桑「でも近付けば近付くほど、提督は離れていった……」
夕張「………」
扶桑「実はね、一度夜這いを仕掛けたことがあるの」
夕張「ブッ!!?」
扶桑「それでも、あの人は拒んだ……私にはそういう事は出来ないって、そう言われたの」
扶桑「女として否定されたようで悲しくなったわ……」
扶桑「……私ね、一人の女として見てもらいたかった。例え昔の人に似ていたとしても、その人とは別人なんだって……分かってもらいたかった」
夕張「でも、それが都高とどんな関係が……」
扶桑「だって、あの人の前を走ればずっと見てもらえるでしょ?」クスッ
夕張「……!?」
扶桑「私が前を行く限り……あの人は私のことを見てくれる。私のことを考えてくれる」
扶桑「それが独りよがりであっても、私はそれで満足なの」
扶桑「だから……どんな結果になっても、止めないでね。私と、提督を」
夕張「扶桑さん……」
扶桑「長話に付き合わせて御免なさい。そろそろ戻りましょうか」
扶桑「夜風は……やっぱり冷たいものね」
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