774: ◆v5iNaFrKLk[saga]
2015/09/08(火) 23:39:29.24 ID:xF+q4QER0
夕張「岩崎さんから見て、扶桑さんのGTOはどう思います?」
岩崎「そうだねぇ……本当に速いGTOって、全国的に見ても数は少ないよね」
夕張「そうですね。むしろマイナー車扱いですから……」
岩崎「RにFD、80スープラ……同世代のこれらは、今でも現役でトップを張れるポテンシャルを持っている、が」
夕張「あえてGTOを選び、それらと同等以上のレベルまで持って行った……」
岩崎「その点は本当、尊敬に値するよ。むしろ近年では突出している程だ」
夕張「でも岩崎さんの評価は低い気がするんですよね。身震いするような存在感を持っているのに」
岩崎「うーん……速いことは速いんだけど、それだけかなぁっていう感じ」
夕張「どういうことでしょう?」
岩崎「じゃあさ。仮にグループAのRに乗ったとして、全盛期の星野より速く走れるかい?」
夕張「えっ……多分無理です」
岩崎「うん、僕も自信無い。ある程度近いタイムは出せると思うけどね」
岩崎「四輪のレースはクルマ8のドライバー2なんて言うけど、突き詰めたらやっぱり操るのは人間なんだよ」
岩崎「あのGTOはすぐに消える。クルマとドライバーが一致していないんだ」
夕張「技量が追いついていない……と、いうことでしょうか?」
岩崎「いやいや、技量は十分だよ。でも……結局そこまでというか」
岩崎「職業柄沢山の人を見てきたし、ここにも長く居るものだから、何となく分かるんだ。場違いな程綺麗な人だしね」
夕張「もしかして……扶桑さんに会ったんですか?」
岩崎「偶然ね。最初は、彼女が蘇ったんじゃないかと目を疑ったよ」
夕張「………」
岩崎「僕から見ると、彼女にとってココに上がる意味があやふやなようにも思えた」
夕張「……上がる、意味……」
岩崎「あれ程までのクルマに仕上げたというのに、彼女自身は虚空のようだった。勿論、チューニングという行為自体も虚しい自己満足かもしれないけど、皆それぞれ思いがある」
岩崎「まるで微睡んでいるような、そんな印象だった。あれじゃあ戦艦というより、幽霊船だよ」
夕張「……扶桑さんは、提督の前を走ればずっと見てくれるからって……そう言っていました」
岩崎「見てくれる……かぁ。何であれ、今夜が何事も無く終わることを願うよ」
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