過去ログ - 京子「面白い事ないかなぁ」
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5: ◆IIarfIElUA[saga]
2015/05/16(土) 02:15:11.02 ID:cYFCM9Ym0
ふと、部室の真ん中に鎮座するテーブルの上にある湯呑みが目についた。
「きょうこ」と名前が書かれた、部員一人一人の専用の湯呑み。
中は飲み干したのか、からっぽになっている。

まったく、飲み終わったのなら片付けなさいよね。

湯呑みを持って立ち上がろうとしたが、親指の辺りに軽い湿り気があった。
少しの間を空けて、鼓動が加速した。

──ここに。口をつけて。歳納京子が。

湯呑みを持ち、膝立ちのまま硬直する。

周りからは、時折吹く風の音しか聞こえない。



洗ッテシマエバ、ワカラナイ──


自分の頭から甘い囁きが聞こえた。


甘い──


舌で、唇で、そこに微かに残った味を、味わう。

身体から力が抜け、後ろに倒れる。
後頭部に伝わる、柔らかい感触。

座布団。

そういえば、さっき歳納京子が枕にしていたのは、この座布団じゃなかったっけ──

うつ伏せになり、座布団に顔を埋める。
自分の髪の匂いとは違う匂いを求めて。

あぁ、そう、この匂い。
歳納京子とすれ違う度に、綺麗な金髪から流れてくる匂い。


「京、子──」

目を閉じてそう呼ぶと、まるで目の前に歳納京子がいるような錯覚に陥った。
普段感じている何倍もの、歳納京子の欠片。

横を向き、歳納京子の匂いを嗅ぎながら、湯呑みに何度もキスをする。
殆ど無意識に、空いている手を股間に押し付けていた。


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