9:名無しNIPPER
2015/05/16(土) 22:05:55.03 ID:9uVkpaBD0
CoPには、勿論、何故CuPが死人の髪の毛を抜くかわからなかった。従って、合理的には、それを善悪のいずれに片づけてよいか知らなかった。しかし下人にとっては、この雨の夜に、この羅生門の上で、死人の髪の毛を抜くと云う事が、それだけで既に許すべからざる悪であった。勿論、下人は、さっきまで自分が、盗人になる気でいた事なぞは、とうに忘れていたのである。
そこで、CoPは、両足に力を入れて、いきなり、梯子から上へ飛び上った。そうして蒼穹の剣に手をかけながら、大股にCuPの前へ歩みよった。CuPが驚いたのは云うまでもない。
CuPは、一目CoPを見ると、まるで弩にでも弾かれたように、飛び上った。
「おのれ、どこへ行く。」
CoPは、CuPが死骸につまずきながら、慌てふためいて逃げようとする行手を塞いで、こう罵った。CuPは、それでもCoPをつきのけて行こうとする。CoPはまた、それを行かすまいとして、押しもどす。二人は死骸の中で、しばらく、無言のまま、つかみ合った。しかし勝敗は、はじめからわかっている。CoPはとうとう、CuPの腕をつかんで、無理にそこへねじ倒した。丁度、鶏の脚のような、骨と皮ばかりの腕である。
13Res/13.30 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。