過去ログ - 京太郎「俺が彼氏で」和「私が彼女」
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18: ◆XTSALcJir2[saga]
2015/05/16(土) 23:50:17.61 ID:1qHAIoTzo


 それから、俺と咲は教室に無事着いた
 途中で和と遭遇するかもと身構えたが、そんなことは無かった

咲「今日の一限目は選択授業に変更だって」

京太郎「あ、そうか。んじゃ音楽室に移動しようかな」

咲「私は美術だから」

京太郎「おう。じゃあ後でな」

 教科書を持って移動教室の為に、席を立つ
 多くの人でごった返す教室を見渡すと……嫌なことを考えちまう

 この中に、和に告白をした男子がいる
 そして、きっと和はその男にOKするんだろう

京太郎「っ」

 ギリッと歯ぎしりする音が嫌に脳に響く
 苛立ちと切なさと、不甲斐なさが胸を渦巻いていた

 畜生、どうして俺は……

京太郎「……」

 胸を裂くような心情をこらえ、廊下に出る
 なにも考えないように、意識を別のことに集中させて歩き続けた

 だが、そんな俺の努力も虚しく

京太郎「あ」

 俺は見てしまった

京太郎「和と……うちの、クラスの」

 廊下の窓からは校舎裏の木陰が見える
 そこにいたのは、和と……うちのクラスの男子だった

 おそらく、告白の返事をしてるんだろう

京太郎「……」

 俺はその光景から目を離せなかった
 出歯亀のような真似をして、盗み見しつづけたんだ

和「!」

京太郎「あっ」

 一瞬、俺と和の視線がぶつかった
 和は驚いたような表情で、何かを言おうと口を開いてるようだったが

 当然、俺のいる場所まで声は届かない

京太郎「くそ、嫌なもん見ちまった」

 無理やりキスをされた奴に、今度は告白の返事をのぞき見されたんだ
 きっと和、怒るだろうなぁ

京太郎「早いとこ逃げよう」
 
 俺は足早にその場を後にした
 もう、和には一切視界を向けずに……


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