過去ログ - 京太郎「俺が彼氏で」和「私が彼女」
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21: ◆XTSALcJir2[saga]
2015/05/17(日) 00:06:42.61 ID:D+ZqcSxWo
授業開始一分前
俺は憂鬱な気持ちで、音楽室から空を眺めていた
ざわざわと騒がしい中で、一際俺だけが浮いて見える感覚
誰とも話す気になれなかった
このまま消えてなくなりたかった
なんて考えていると真面目な音楽教師が授業開始のベルよりも早くやってきて、出席を確認する
一人、一人……出席簿の上から名前が呼ばれ始め
「須賀京太郎君」
遂に俺の名前が呼ばれ、俺は気の抜けた返事をする
出席も取ったことだし、このまま寝ちまおう
授業が終わる頃に起きれば、この気持ちも幾分かスッキリするかもしれない
そう思い、俺は机の上に項垂れるようにして瞳を閉じた
嫌な光景がチラつく、それでも俺は……
「須賀君!」
突如、俺の名前が呼ばれた
なんで二回目の出席? と思ったが、これは先生の声じゃない
この可愛い声、聞き覚えがある
俺の大好きな、あの少女の――
和「須賀君!!!」
京太郎「え?」
ざわっと、音楽室が騒々しくなる
顔を上げると、音楽室の入口に和が立っていた
全力で走ってきたのか、息も絶え絶えで、髪は汗に濡れて頬に張り付いている
京太郎「の、和?」
俺は訳が分からず、混乱しっぱなしだった
なんで授業中に和が乱入してきたのか
そもそも、この俺になんの用があるのか
和「授業中失礼します。すぐに済みますので」
先生が静止しようとする間もなく、和はツカツカと俺の席まで歩み寄ってくる
学校の中じゃアイドル兼、ヒーロー扱いされている和が相手だからか、誰も止めようともしない
成績も優秀だろうしな
って、そういう問題じゃねぇ
京太郎「な、なんだよ、和」
和「……須賀君」
音楽室中の視線が俺達に集まる中、和はまっすぐに俺を見つめている
強い意志を秘めた瞳――一体、どうしたんだろうか
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