過去ログ - 京太郎「俺が彼氏で」和「私が彼女」
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58: ◆XTSALcJir2[saga]
2015/05/17(日) 23:27:56.87 ID:ZoX1S6Q4o


 和と図書室で他愛の無い話をして、教室に戻ることにしたのは二限開始の数分前だった
 握った手を離すのは名残惜しかったが、機会はいくらでもある

 にこやかに俺に手を振る最愛の彼女を見送り、俺は教室の扉を開いた

京太郎「……あー、落ち着こうかみんな」

 そこに待ち受けていたのは、血の涙を流しながら凶器を構える野郎の群れ

 ですよねー

京太郎「みんなを裏切るつもりなんて無くて、その」

 なんて言っていいものか分からず、頭をかくしか出来ない
 学校のアイドルを独り占めしてしまったんだ
 
 今からこの野郎どもにボコボコにされても文句は言えない
 そう思っていたけど……

京太郎「え? あ、おい!」

 凶器を持った男たちは全員、ガックリと肩を落として教室を出て行く
 というか、一年から三年まで……こんなに沢山の生徒がよく入りきっていたな

京太郎「一体どうして……」

久「あら? 命拾いしたんだからもっと喜んだら?」

京太郎「竹井先輩!?」

 人混みが散り散りになり、その中央から姿を現したのは見知った顔だった

久「もう、聞いたわよ? 音楽室で見せつけてくれたんだって?」

京太郎「さすが、耳が早いですね……」
 
久「当然でしょ。でも驚いたわ、あの和がね……」

 手にしたボールペンをクルクルとイジりながら、竹井先輩が俺の全身を見つめる

京太郎「あの、もしかしてさっきの暴動を抑えてくれたのは」

久「ええ。一時は他校の生徒まで押し寄せかねない事態になったそうよ」

京太郎「さ、さすが和」

 もはや県……いや、国のアイドルとなりつつあるのかもしれない

久「骨が折れたわ。ほんっと、いろんな意味で」

京太郎「お疲れ様です。おかげで本当に助かりました」

久「いいのよ。私はただ、みんなに和の幸せを考えて欲しいって訴えかけただけだし」

京太郎「それだけで、よくみんなが落ち着きましたね」

久「あははっ、それがね。面白いのよ」

 コンコンと机にボールペンをぶつけて、竹井先輩が大きく笑う


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