過去ログ - 姫「置き去りにされた世界の中で」
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42: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2015/05/17(日) 00:29:39.53 ID:dxS7ozrO0
姫「簡単なことだ。よく見てみろ」
男「……あれ」
43: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2015/05/17(日) 00:30:22.64 ID:dxS7ozrO0
男(なぜそこで目を輝かせて喋りたがる)
姫「此奴は我が一族の魔法術が生み出した結晶、"スケルマター"という生物だ」
姫「この通り、姿形のない摩訶不思議な生物だ。ここにいてここにはいない、口も利かない文句も言わない疲れも知らない」
44: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2015/05/17(日) 00:31:22.25 ID:dxS7ozrO0
姫「ま、召使のようなものだから。気にするな」
透明なその生物は俺の姿を確認しても、特に何もすることもなくその場を立ち去った
言われた事以上のことはしない
45: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2015/05/17(日) 00:31:54.67 ID:dxS7ozrO0
姫「しかし……お前の勝ちだな」
男「は?」
姫「賭けだ賭け。お前は必至すぎて忘れていたのかもしれないが、私は十分楽しませてもらったよ」
46: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2015/05/17(日) 00:32:21.36 ID:dxS7ozrO0
姫「アレが男か女かなんてのは私も知らない。だから答えないことが正解だ」
男「答えがないのが答えってか?そんな頓智じゃあるまいし……」
姫「まぁいい。久しぶりに遊べて私も少し気が楽になった。ほら、こっちにこい。まやかし玉を貸してやる」
47: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2015/05/17(日) 00:32:53.82 ID:dxS7ozrO0
姫「だがこれはお前が望むような宝でも何でもないぞ?人の心を惑わし、そして幻を見せるだけの玉」
姫「これでお前は何をするつもりだ」
男「そんなもの、価値は俺が決める。名が通ったお宝なら効力なんてオマケ程度だ」
48: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2015/05/17(日) 00:33:39.59 ID:dxS7ozrO0
遺跡を探索していた理由も、ただ単に好きだからとそんな訳もなく、何か発見があれば報告を
そして新たな事実を見つけることが出来ればまた名が上がる。美味しいことこの上ない
あることない事つらつらと、言い訳のように説明を続ける
勿論先ほどまで居た場所の事は伏せてある、妙な混乱と現状との食い違いを指摘されたらどう返せばいいのか分からなくなるだろう
49: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2015/05/17(日) 00:35:15.53 ID:dxS7ozrO0
姫「触れるだけだ、私のこの手からは離しはしない」
男「えっと……こうか」
50: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2015/05/17(日) 00:35:43.08 ID:dxS7ozrO0
姫「……」
姫「……」
姫「消えた……か」
51: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2015/05/17(日) 00:36:14.74 ID:dxS7ozrO0
――――――
―――
―
男「ッ!!」
52: ◆cZ/h8axXSU[saga]
2015/05/17(日) 00:37:17.77 ID:dxS7ozrO0
確かに覚えている
そこの窓からは光が差し、下に見える人々の暮らし
ふてぶてしくもそこのベッドに座っていたのは姫を名乗る少女
入口のすぐ横には果物の詰められた樽……
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