過去ログ - 大庭葉蔵「僕は、自演のないところに行くんだ」
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34:名無しNIPPER[saga]
2015/05/18(月) 00:17:17.33 ID:J08sGR5CO

これからもそういう人間として、厚顔無恥に生を繋いでいくのだ。

堀木にしろ先生にしろヒラメにしろ、帰りの旅費は勝手に工面するがいい。

そうやって草むらの上に仰向けに寝そべり、薄ら笑いを浮かべて目をつむっていたところ、昨夜の宴席にいたメロス君の妹の顔が唐突に瞼の裏に浮かんでまいりました。



(27年積み重なってきた自分という人間の穢れが、ついにこの土地にも流れ出し、あの人の足元にも届くのだろうか?)



その時、実に不思議なことが起こりました。


愚か者の足に力がみなぎり、自分は立ち上がったのです。



間に合わねばならぬ。

自分は、真実を示さねばならぬ。

生涯に最初の、もしかしたら最後になるかもしれぬ真実を示さなければならぬ。

いいや、それと引き換えにこの命が尽きて何の悔いがあろう。


自分はとうに終わった人間。失うものなど何もない。


メロス君には友の信頼があった。

もとより自分には、そんなものはありはしない。


でも、自分は走り出してしまった。


(走り出してしまった者には、走り出した責任があるのだ。俺は、走り出したことの真実を、示さねばならないのだ!)




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