過去ログ - 大庭葉蔵「僕は、自演のないところに行くんだ」
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5:名無しNIPPER[saga]
2015/05/17(日) 12:27:47.58 ID:DEaQArjQO

世の中がそういうものであるという認識は、皮肉にも自分のような人間には好都合でした。

一か八かの可能性に賭けて乾坤一擲の勝負を挑むなどというのは、あまりに恐ろしいことで、笑いに紛らしてしまわずにはおれません。

結果として自分はお道化という自演に惑溺し、下手をすれば他人が向けてきかねない切っ先をどうやって避けたものかと、怯えながら暮らす人間となりました。


そんな自分が「自演のないところに行く」と言い出したのですから、堀木正雄のような人間なら、チャンチャラ可笑しいと思うのも無理はないでしょう。


でも本当に自演のない、わざとらしさがいっさいない世界を求めようとした時、人はどこにたどり着くのか。どこに、たどり着かざるを得ないのか。


そんなことを考え考え、深い雪に足を取られながら歩いていた時でした。


後ろから誰かが近づいてくるようです。

テツには書き置きなどしてこなかったので、自分を追いかけてくるはずなどないのですが。




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