過去ログ - 長門「ユッキー……私の事を呼ぶならそう呼んで」
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16:名無しNIPPER[saga]
2015/05/18(月) 00:01:15.60 ID:AbDz0ws10


「面白い人だなあ。その子は別の高校に行っちゃったの?」

「いいや、恐ろしいことに、同じ北校生だ」


辛うじてクラスは離れたがな、あいつ頭もいいから特進に入ったんだ、と言ってから、谷口はなぜか訝しげな目を俺に向けた。


「なんだよ。あんまり興味なさそうだな」


どうもこいつは、俺が『マジッすか!』とかなんとか喚いて席を蹴倒すのを期待していたらしい。


「俺は別に変な女が好きなわけじゃない」


特にそんなエキセントリックな奴とは関わりたくもない。
放っておいてもシャレにならん騒動を持って来そうではないか。


「賢明だな」


ま、興味持ったら持ったで全力で止めてやってるところだが、と谷口は小ばかにしたように肩をすくめた。
ここで国木田が思い出したように話を戻してきた。


「それで、結局長門さんとは結局どうなの? 今はまだ、友達ってわけなのかな?」

「断じて違う、あれは――……」


いいあぐねるうちに俺の視界左端を青みがかった長髪が過ぎった。いつの間にきたのか、朝倉だ。


「私も聞きたいなあ、私がどんなに話しかけても何にも答えてくれない長門さんが、どうすれば返事をするようになるのか。コツでもあるの?」


不意に話に乱入しても顰蹙を買わないのが、朝倉の朝倉たるゆえんである。
空気を読むのではなく変える。それもなにやら柔らかい真綿のような、世の男共の理想形とも言うべき空気に。
見よ、愚かな男の集大成とも言える谷口なんぞこれだけで歓喜の渦に呑まれている。
涼やかに笑う朝倉に一瞬息が詰まったものの、俺は何事もない顔でソッポを向き、弁当をつついた。



「わからん。あえていうならあれは、そう、偶然の一致だ」

「へえ、偶然。どんな偶然?」



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