過去ログ - 長門「ユッキー……私の事を呼ぶならそう呼んで」
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名無しNIPPER
[saga]
2015/05/17(日) 23:06:48.92 ID:Flc7T4o40
さて、早いもので彼女が教室をシベリア送りにした自己紹介からはや一ヶ月。
下半身男子も熱血教師も門前払いした長門有希はいよいよクラスで孤立しつつあった。
かといって困るそぶりなど微塵も見せず、彼女は今日もハードカバー一冊で構築した絶対防衛ラインに鎮座している。
相変わらず機械を思わせる精密さでページを繰る様には、何者をも寄せ付けぬ威厳があった。
んが、この長門有希の名誉ある孤立を良しとしないおせっかいやきが、クラスにはまだ残っていた。
その名は朝倉涼子。
クラス委員長である。
「顔だけでいうならAAランクプラスだな。アレはきっと性格まで良いに違いないぜ」
とは、先だっての『長門七不思議』において、長門有希の出自を教師にまで聞きに行った超暇人の台詞である。
さて、果たして奴が入学時からせこせこ作ったと言う『一年女子データベース』にどれほどの信憑性があるかは疑問だが、この情報だけは当たっているに違いない。
高校生にもなって学級委員長などをやっている辺りからしてもう人のよさが垣間見えるし、
容姿を鼻にかけない人柄ととっつきやすい性格は万人の好意を生み出す。
既にクラスの中心的人物となった彼女は当然のように教師からの評判もよく、早速ファンクラブまがいのものまでできているらしい。
それにも飽き足らず、朝倉は岡部教諭が匙を投げた後も、なかなかクラスに溶け込まない長門有希に積極的にアプローチを仕掛けていた。
並みの人間には出来ないことだ。
「せっかく同じクラスになれたんだもの、できるだけ仲良くしたいじゃない?」
しかしてこの一ヶ月ふたりの間に進展はなく、長門有希は相変わらず無言を貫くか、そう、別に、割との三語のみで話し、視線は活字に固定されて微動だにしない。
そのたびに朝倉は困ったような微笑を浮かべるのだった。
そんな顔をするくらいならやめておけよ。
よくやるぜ、全く。
そう思いながらも、美人で面倒見のいい学級委員長の淋しそうな笑顔は少しずつ俺の胸に澱となって積もり積もり、
その日の朝とうとう許容量一杯にまで達してしまった。
孤軍奮闘する彼女はけなげといってもいいくらいで、クラスメイトとして男として庇護欲くすぐられることこの上なく、
ついつい援軍になってやろうかと血迷った俺を誰が責められよう。
かくして俺は席に付くや、後ろの席の女子に声をかけた。
かけてしまった。
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