過去ログ - 従姉妹「友君を愛するあまり■■■■を■しちゃった♪」
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10:名無しNIPPER[saga]
2015/05/18(月) 01:37:43.03 ID:dTcuNBb30
演劇部部長が先程行った事は、手につけられていたゴム手袋を『氷』に変える事だった

演劇部部長の能力、『冬の息吹(アイス チェンジ)』は左手で触れた物を全て氷に変える能力。当然、ゴム手袋も例外ではない

では、氷に変えられた物はどうなるか?

氷はただの氷であり、特別な何かがある訳ではない。当然、溶けもすれば『割れ』もする。ゴム手袋ぐらいの薄い氷であれば尚更……

床に押しつけただけで簡単に割れる

これが先程の音の正体であり、割れた元ゴム手袋の氷は床に散らばって散乱している。つまり、今、演劇部部長の左手を覆うものは何もない。後ろ手に縛られている以外に何の制約もありはしなかった


二人はいっその事、演劇部部長をそのまま放置しておけば良かったかもしれない。しかし、彼らはこれまで慎重に行動して、それで成功していたが故に、その選択肢が頭に浮かばなかった

ゴム手袋をさせているから、演劇部部長には近付いても安心という推測に基づいた誤った安心感もガンだったと言える


風紀委員が丁度近付いて来たその瞬間、演劇部部長は体を捻って、手のひらを風紀委員に向けた


『冬の息吹(アイス チェンジ)!』


能力が発動し、彼女の左手から半径三メートル以内の空気が全て氷へと変化する!

驚きの声を上げる暇も風紀委員には与えられなかった

その射程距離内にいた彼女は成す術もなく、氷漬けにされる!


驚いて監視カメラのモニター近くから立ち上がり、すぐに駆けつけようとする友!


しかし、彼が動き出す前に、演劇部部長は声を発していた


「生徒会長! 命令よ! この部屋から急いで出なさい!」


命令は正確に伝達され、そして生徒会長はそれに無機質的な動きで従った

これまでずっと壁を向いて座っていた生徒会長は、この声に音もなくすっと立ち上がり、生者と死者の中間の様な無表情さで出入り口の扉へと駆け出した


これまで一つもミスをする事なく全てにおいて優位に立ってきた友と風紀委員。だが、それは最早過去形で語られる出来事だった

彼らは一瞬の内に演劇部部長の策略によって窮地に追い込まれ、特に追い詰められたのはその場に安全な状態で残された友だった

この時、友は二つの苦しい選択肢を迫られる事となる

即ち、すぐに風紀委員を助けるか、あるいは風紀委員を放置して外に出ようとしている生徒会長を止めるか


その二択しか、彼には残されていなかったのだ。そして、どちらの選択肢を選んだとしても、ろくな結果にはなりそうにないものだった……


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