過去ログ - ドラ「のび太くんが」のび「ドラえもんが」ドラのび「「消えた!!?」」
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7:モノクマ学園長 ◆pVtLFQd5JYHa[saga]
2015/05/20(水) 01:33:08.79 ID:vlDA+wVo0

「ボクはのび太くんを助けに行くよ」

「あったりまえよぉ!」

「わたしも、もちろん手伝うわ!」

「あ、あのボク……」

「ああ!? またお前は塾がとかママがとか言うんじゃねぇだろうな!?」

「わわわ、わかったよ! けどさ!」

 スネ夫は涙目になりながら、それでも現実的に問題を上げていく。

「どうやって助けに行くの? のび太はどこにいるんだよ」

「…………」

 誰も答えは持っていなかった。


    ЖЖЖ

「やあ。僕はこの組織のリーダーをしている者だ」

 のび太は青年と対面していた。
 20代ぐらいに見える。
 しかしそれ以上に見覚えがある。

「……出木杉くん!?」

「やっぱり覚えていてくれたんだね。嬉しいよ」

 リーダーと名乗り、青年になった出木杉と出会い、ようやくホッとした。
 知っている人間がいる。それだけで、人は安心できる。

「出木杉くんも、タイムマシンを知ったんだね」

「小学生の時、一度乗せてもらったね。あの体験がなければ、ボクはきっと、今の人生を生きていないと思うんだ」

「……のび太くん」

 出木杉君は、真剣な目で、少年ののび太を見ていた。

「今の、大人のキミと会ってみないかい?」

「え……会うのはいいけど」

「何度か見たことのあるのは、きっと静香くんを嫁にして、二人の子が生まれて、家族の大黒柱になったのび太くんだろう?」

 出木杉は厳しい目をしたままだった。

「ここにいるのび太くんは、そうじゃない未来を歩んでしまったんだ。それは子供のキミにはショックかもしれないけど、でも……のび太くんの親友として、ボクはキミたち二人は出会うべきだとも思う」

「……ボクに、何が、あったの?」

 当然の質問に、出木杉は――

「…………」

 頭脳明晰な出木杉が、何も答えようとはしなかった。

「目を閉じて、このままの世界に返すことも出来る」

「何も知らないまま、ドラえもんの道具で、夢のような時間を過ごしていけばいい」

「それでもいいんだ。ボクはそれでよかったと、のび太くんにも言ったんだよ」

 だんだんと、当事者以外の事情が混ざって、部外者である子供ののび太には伝わらなくなってくる。

 だけど、わかってきたこともある。

 未来のボクに、問題が起きている。
 
 今は部外者だから、何も知らないから、何もわからないまま、置いてきぼりにされている。

 多分、ボクはいらない。子供の力なんて大したことはなくて、ボクがいなくてもきっと何とかなるんだ。

 だけどボクはここにいる。ここにいるなら、問題の前にいるなら……問題に向かわなくちゃ。

 先生も、ママも、ドラえもんも、みんながみんな言ってたこと。

 宿題は、問題は、先に片付けるものだって、みんなが言ってた。



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