過去ログ - 詩羽「詩羽無双?」倫也「詩羽先輩、勘弁してください」
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8:黒猫 ◆7XSzFA40w.[saga]
2015/05/20(水) 07:49:15.54 ID:rkQc+dEF0


 俺は気がつかなかった。怪しく光るその黒い瞳の奥にうごめく策略に、

俺の今後の高校生活を波乱に叩き落とされるなど思いもしなかった。

まあ、ある意味リア充爆発しろってことなんだろうけど。


詩羽「さっき言ってたホテル代の借り、早速だけど返してもらおうかしら」

倫也「はい?」


なんだか理解できないのはどうしてだろうか? 詩羽先輩は日本語使ってるはずなのに。


詩羽「結婚はまだ早くても婚約はできるわよね? 

   だからホテル代クラスでいいから婚約指輪をこのあと買いに行きましょう」

倫也「ちょっと待ってくださいって。いや、待って、お願いだからストップして〜」

詩羽「なによ、まだなにかあるの?」

倫也「だから人生の重要イベントをすっとばそうとしないでくださいよ。

   先輩は俺にプロポーズされたくないんですか?」

詩羽「それは、……プロポーズされたいわね」


 小さくうずくまるその体を俺はぽんっと手で撫でる。

さらっさらな黒髪が俺の手をくすぐり、愛おしさが沸き出てくる。


倫也「一歩ずつ進んでいきましょう。歴史に残るような名作ギャルゲーも徹夜して

   クリアーしたいですよ。でも、俺と詩羽先輩の歴史はしっかりとかみしめて

   進めていきたいんですよ。大切な人生をスキップするんなんて

   もったいないじゃないですか」

詩羽「たまにはいいこと言うのね、普段はどうしようもない事ばかり言うくせに、生意気ね」

倫也「そりゃどうも」

詩羽「でも、でも……」

倫也「なんですか?」

詩羽「ペアリングだけはしようね。ホテル代の十分の一でいいから」


 この極上の笑みにどうやって逆らえっていうんだ。しかも涙目で、

ちょっと押しさえしたら涙しそうな不安定さを演出までもして。

これが素の霞ヶ丘詩羽であり、俺だけに見せてくれる詩羽先輩なんだろうけど、

この敗北感やみつきになりそうで、怖いかも。


倫也「わかりましたよ。それで詩羽先輩が満足して頂けるのでしたら」

詩羽「倫理君も高校に指輪していくのよ」

倫也「わかってますよ」


 まあ、オタクでしられている俺が指輪をしていこうが、なんらかのオタクグッズだと

おもわれるのが関の山だな。たとえ先輩が指輪をしていようが、

それがペアリングだとわかるやつなんて近しい人間にかぎられるだろうし。


詩羽「なんだか安心してない?」

倫也「え?」





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