過去ログ - 【艦これ】艦娘「ケッコンカッコカリオコトワリ」 2
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638: ◆p7uyiJsetI[sage saga]
2016/01/23(土) 19:06:23.55 ID:MmhKlG4Y0
彼は得難い友人だった。
彼の方からしても俺の事をそう思っていてくれたらしく葬儀にも呼ばれ、その後しばらくは、いや、今も俺の気持ちには穴が開いている。
が、同時にその穴の壁面にこびりついた思いもある。

彼の葬儀後、俺はなお、仕事にのめり込んでいった。

今なら素直に認められる。
彼の死は悲しかったが、俺は彼が死ねた事を羨んだのだ。
それは彼女らの為に身を削った証で、俺が渇望した形だ。
俺があの日以来覗き込み続けている、混沌の底にあるものだ。

艦娘に理解のある親族だったそうだ。
憔悴しきった様子で、しかしそれでも涙一つ見せずに毅然と喪主を務めた彼の『吹雪』の顔を忘れられず、それに罪悪感を覚えたくせに、そうまで悲しんでもらえる彼を心底羨ましいと思った。

共に戦うことが出来たなら。

共に傷つくことが出来たなら。

そしてもしその時が来るとして共に沈むことが出来たなら、それはどんなにか素敵な事か。

当時も、そして今も、俺は心底そう思っているのだ。


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