過去ログ - 京子「変わるものと」あかり「変わらないもの」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2015/05/21(木) 22:33:29.97 ID:PIOpB9hIo
京子ちゃんに手をひっぱられて、あかりちゃんはおうちの中に入って行きました。
「おかあさーん! あかりきたー!」
「お、おじゃましまーす」
京子ちゃんが大きな声で呼ぶと、奥からぱたぱたとおかあさんがでてきました。
「あらあかりちゃん、久しぶり! なんだか大きくなったわねぇ」
「えぇっ、そうかなぁ……?」
「この年頃の女の子はぐんぐん伸びるものなのよ。ささっ、あがってあがって」
京子ちゃんに案内されて、あかりちゃんは京子ちゃんのお部屋に通されます。
久しぶりに来た京子ちゃんのおうちは、よく通っていた小学生の頃とは細かい所が少し違っていて、あかりちゃんはそんな変化を見つけるように、きょろきょろしながら歩いていました。
「なに? そんなにきょろきょろして」
「あのね、京子ちゃんのおうちに来るの、ちょっと久しぶりだったから」
「えーそうだっけ? なんかよく来てる気がするけど」
「だって、京子ちゃんが中学校に入ってからは一度も……最後に来たの、まだ小学生の頃だよ?」
「うそー!?」
「京子ちゃんはあかりのおうちによく来てくれてたけど、あかりが京子ちゃんのおうちに来るのって、実はそこまでなの」
「んーそうだったかなぁ……あんまり考えたことなかったみたい」
「でも、小学校に入ってすぐくらいの頃は、よく来てくれてたわよね」
京子ちゃんのお母さんが話に加わりながら、アイスを持ってきてくれました。
「そうですねぇ、もっとちっちゃい頃の方がよく来てました」
「へぇ〜……あんまり思い出せないや」
「もう、京子ったら失礼ね。せっかく来てくれてるのに」
「だってあかりとは今も学校で一緒にいるもん! 私としてはそんなに離れてる感覚ないのー」
「あかりちゃん、これからも京子をよろしくね?」
「よ、よろしくって……あかりよりも京子ちゃんの方が頼りになりますよぉ?」
「うふふ、そんなことないわよ。京子はさびしがりやなんだから」
「ちょっと何言ってんの!?」
お母さんにからかわれる京子ちゃんを見て、あかりちゃんはおかしくなってしまいました。
京子ちゃんは誰かをからかうことはあっても、からかわれることは少ないのです。
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