過去ログ - 杏子「地獄の機械」 -SS速報VIP

過去ログ - 杏子「地獄の機械」

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1: ◆rDqejeRC7.[saga]
2015/05/22(金) 23:55:26.10 ID:hT11ZvC0O
「敵は来る。敵が今や航行中であることはこの私がよく知っている。敵はただ現在ここにまだ到着していないというのみである」

トゥキュディデス『歴史』

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2: ◆rDqejeRC7.[saga]
2015/05/23(土) 23:49:25.23 ID:kLHccaPIO
その日。
朝。
日が昇るには少し早い時刻、見滝原を一望できる丘のうえに、鹿目まどかはひとり佇んでいた。常のときならば、動きだす人びとの姿が見えはじめるころであるのに、眼下の町は、一様に灯りを消して、静まりかえっている。
正体のない町を見下ろすまどかの後ろに、ひとりの少女が歩み寄ってきた。
美樹さやかである。

以下略

3: ◆rDqejeRC7.[saga]
2015/05/24(日) 00:12:13.75 ID:gGRH7pk0O
さやか「そんなこと……」

まどか「さやかちゃんこそ、ここにいていいの？皆、待っているんじゃない？」

さやか「いや、それなら、まだ余裕があるから、大丈夫。そしたら、ここからの景色を見ておこうと思って、さ」

以下略

4: ◆rDqejeRC7.[saga]
2015/05/24(日) 00:25:15.74 ID:gGRH7pk0O
さやか「でも、今の幸せな時間を引き延ばすことはできる。
それに、まどかが言ったじゃない、魔法少女は奇跡を起こせるって」

まどか「そうだね。でも、それはきっと、奇跡なんかじゃなかったんだよ」

以下略

5:名無しNIPPER[sage]
2015/05/24(日) 00:31:04.79 ID:6zukIsPwO
うお、はじまた

6: ◆rDqejeRC7.[saga]
2015/05/24(日) 15:30:05.02 ID:7HwENzv1O
同じ頃、見滝原の中央にある公園には、やや場違いな少女たちの姿があった。
佐倉杏子は、落ち着かない様子で辺りを歩きまわり、百江なぎさは不安気な表情でベンチに腰を下ろし、巴マミがそのそばに寄り添っている。そして、やや離れた場所には、暁美ほむらが腕を組み、電柱に寄りかかって立っている。
誰も一言も口にせず、重苦しい空気のなか、美樹さやかは息を切らして公園に入ってきた。

さやか「いやー、ごめん。待たせたかな？」

以下略

7: ◆rDqejeRC7.[saga]
2015/05/24(日) 23:02:29.94 ID:7HwENzv1O

2週間前。
朝。
美樹家。

以下略

8: ◆rDqejeRC7.[saga]
2015/05/31(日) 23:30:12.15 ID:dB8sEzIyO
さやか「どうかしたの、杏子？朝からあんな真剣にニュースなんか見て」

杏子「いや、父さんのことが気になって。まあ、テレビ見てたって、何が分かるわけじゃないんだけどさ」

さやか「そっか……、ごめん、何だか悪いこと言っちゃったかな」

以下略

9:名無しNIPPER[sage]
2015/05/31(日) 23:51:07.78 ID:/mNKRu2HO
支援

10:名無しNIPPER[sage]
2015/06/04(木) 13:49:54.48 ID:oH9MStTAO
何が始まってるんです？

11: ◆rDqejeRC7.[saga]
2015/06/12(金) 23:51:59.76 ID:+HO1xCHyO
佐倉杏子の父は、神父である。もとはキリスト教の最大教派に所属し、見滝原で小さな教会を経営していた。
しかし、「新しい時代には新しい教えが必要だ」と考える彼は、伝統ある本部の保守的な教義に疑問を抱き、あるとき、思いきって分派。最初は、ほとんど相手にもされなかったが、真摯な彼の活動は、じょじょに支持者を増やし、数年後にはそれなりに大きな新興宗教団体に成長した。
その頃、天然資源の急速な枯渇により、それまで繁栄を謳歌していた多くの新興国や途上国が没落、世界規模で貧富の差がいよいよ拡大していた。
「みずから貧しい国におもむき、人々を救うべきだ」そう言って彼は、周囲の反対を押しきり、妻、すなわち杏子の母とふたりきりで渡海する。
残された娘たちのうち、まだ小さい妹は親戚の家に預けられたのだが、姉の杏子は、どういう経緯か美樹家に居候することになった。美樹さやかの意見を尊重すれば、「あたしと離れるのがいやで、パパとママに駄々こねたんだよ」ということになるのだが、もちろん佐倉杏子本人は否定している。

以下略

12: ◆rDqejeRC7.[saga]
2015/07/03(金) 22:50:08.31 ID:DVa5aCxPO
さやか「やっぱり、あの辺りだと郵便事情もよくないのかな」

と、さやかが慰めるように言う。

杏子「いやあ、きっと仕事に夢中で、あたしのことを忘れちゃってるだけさ。

以下略

13: ◆rDqejeRC7.[saga]
2015/07/03(金) 23:10:46.54 ID:DVa5aCxPO
訂正女子高生→中学生

なぎさ「これは、さやかに杏子ではありませんか。おはようございます」

以下略

14: ◆rDqejeRC7.[saga]
2015/07/03(金) 23:29:10.62 ID:DVa5aCxPO
なぎさ「おや、杏子は自分がお嫁さんだということに不満なのですか？でも、普段強気な杏子が、いざとなるとネコになるというのが、ポイントなのですよ」

さやか「分かってるね、なぎさちゃん。そうだよ実は杏子は乙女なのですよ」

杏子「うるせえよ、お前たち。ほら、なぎさは早く学校に行け。お前の小学校は7時に始まるんだろ？」

以下略

15: ◆rDqejeRC7.[saga]
2015/07/03(金) 23:59:40.54 ID:DVa5aCxPO
杏子「良かったな、なぎさがあんなに元気になって」

さやか「最初のうちからは考えられませんよ」

マミ「そうね、私でも、少しは力になれたのかしら……」

以下略

16:名無しNIPPER[sage]
2015/07/22(水) 21:13:01.94 ID:61HQpk6oo
・

17:名無しNIPPER[sage]
2015/08/22(土) 03:39:20.18 ID:CRA7ud+ro
保守

18: ◆rDqejeRC7.[saga]
2015/08/30(日) 01:34:08.61 ID:Xi2aqlpbO
学校に到着し、学年の違うマミと別れると、さやかと杏子は教室に向かった。

さやか「おはよー」

杏子「よう」

以下略

19: ◆rDqejeRC7.[saga]
2015/08/30(日) 23:36:56.36 ID:Xi2aqlpbO
「あら、鹿目さん、佐倉さん、美樹さん、ごきげんよう」

突然後ろから声をかけられ、振り向いた3人のうち、杏子は軽く手をあげて挨拶し、まどかは一瞬顔を曇らせてから笑顔をつくり、さやかは露骨に顔をしかめた。

ほむら「ええ、全くごきげんなようね。良いことだわ、朝から元気なことは」

以下略

20:名無しNIPPER[sage]
2015/08/31(月) 01:18:40.44 ID:tvo/lvBuO
支援

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