過去ログ - 【アイマス】レモンのサプリメント
↓ 1- 覧 板 20
2: ◆Hnf2jpSB.k[sage saga]
2015/05/23(土) 15:33:36.89 ID:no/VhTCJo
***************************
こちらが何とかしたいと思っても、そう上手くいかないのが現実というもので。
昼下がりの公園、私はベンチで頭を抱えていた。
そろそろ生きていくにも事欠く事態が迫っている。
「どうかしたのかね?」
封印していた思いが頭をもたげる気配を感じていると、いきなり声をかけられた。
驚いて顔を上げると、そこには人の好さそうな中年の男性がいた。
「良い若者が、昼間からそう暗い顔をするものではないよ。どうだね、私でよければ話を聞かせてはもらえないかな?」
不思議と警戒感を抱かせない、柔らかな印象の男性だった。
――――――
――――
――
「そうか、なるほど……」
気づくと私は、ここまでの経緯を粗方吐き出していた。
「つまり君は仕事がしたい、それも音楽に携われる仕事を」
私は頷きつつ嘆息する。
経験もコネもない人間が容易く足を踏み入れられる世界でないことは、この数ヶ月で痛感していた。
「ならば、ウチの事務所に来てみないかい?」
そういって差し出された名刺には
株式会社765プロダクション 代表取締役社長 高木順二朗
そう記されていた。
「ほんの小一時間話をしただけの、氏素性も知れない男に正気ですか?」
「なに、人を見る目には自信がある」
連絡待っているよと言い残し、来た時と同じように唐突に彼は去って行った。
狐につままれたよう、とはまさにこんな時に使う言葉なのだろう。
「765プロダクション……」
だが、手渡された名刺が夢でないことを伝えてきた。
恩を返すチャンスが目の前にあるのだと。
32Res/23.35 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。