27: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/05/23(土) 20:12:24.69 ID:WT24WuKIo
「成り上がりを目指して中途半端で、好きな女は手に入らない。
小さな町の酒場の主に収まって、捕まえたのは幽霊女一人きり。
これが俺の分際とも、わりいことした報いとも、どうにもいうこたできるん……だが」
彼は迷う間を置いてから続ける。
「俺はこれで満足していない。でも間違いなく満たされてはいる。
いや違うか……間違いなく悔しいんだよなんであそこで失敗しちまったんだ間違えたんだってずっと考えてる。
でも一方、これでよかったとも思うんだよ。俺はあいつと一緒にやってこれて良かったあいつの笑顔が見れて良かった。
そうだ。差し引き計算なんかでわかるものか。別々なんだよ別々でいいんだよ。
俺は悔しくてそして同時に満足だ」
彼の口元にうっすら浮かぶ笑みを見て僕は立ち上がった。
ごちそうさまでした。もう行きます。
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