過去ログ - 鳥海「司令官さんが木曾さんを冷遇している?」
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◆xedeaV4uNo
[saga]
2015/07/04(土) 22:33:12.79 ID:v39mJZCC0
◇◆◇◆◇◆
全員との面談――という根回しが終わるまで結局三日もかかった。
初めは新しい顔触れだけにするはずだったが、鳥海から全員に伝えたほうがいいと言われて方針を変えたからだ。
そのお陰でと言うのは変かもしれないが手応えはあった。
もちろん木曾の行動に対して内心でどう受け止めたのかは分からない部分があるが、少なくとも俺がそれを許しているのは伝わっている。
そして木曾の営倉入りも解いて、これから二人で会うことになっていた。
格好だけは相変わらず病院服のままだが、今は病室ではなく波止場に立っている。あの日、南一号作戦の折に艦隊の帰りを待った場所に。
波を見つめて気ままに待っていると、鳥海に連れられて木曾がやってくるのが見えた。
二人は並んで歩いていて、何か話しているようだ。
そういえば今の木曾と初めて会った時は確か高雄に連れられてきたな……何かの縁でもあるのだろうか。
鳥海はある程度近くまで来ると立ち止まる。
木曾が何か言ったようだが、鳥海は首を横に振るのが見えた。
少しの間そのままだったが、木曾が一人でこっちに歩いてくる。俯き気味だが確かに近づいてくる。
鳥海は逆に離れていく。二人だけにしてくれるらしい。
何を話そうか、ほとんど考えていなかった。まあ、それはそれでいいさ。
たぶん話したいことなんて自然と出てくるだろう。
木曾は俺の前まで来ると立ち止まる。距離で言うなら畳二つ分か?
自分で想像してみてよく分からない喩えだが、話すには少しだけ遠い気がした。
一歩近づくと木曾も一歩引いた。もう一歩出ると同じように引く。
今は近づくのをやめた。
今じゃ立場が逆なのか。俺が木曾を避けていたはずなのに、今は木曾が俺を避けている。
「こんな気持ちだったんだな」
「……何がだよ?」
「見てもらいたいのに見てもらえない気持ち」
「っ!」
木曾が慌てて顔を上げる。
苦しめたくも縛りたくもなかったんだよ――木曾の声で覚えのない言葉が脳裏に思い浮んだ。
俺だってそうだ。木曾を苦しめたくない。自分になぞ縛られてほしくない。
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