過去ログ - 鳥海「司令官さんが木曾さんを冷遇している?」
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268: ◆xedeaV4uNo[saga]
2015/07/08(水) 10:15:51.94 ID:nYaj77Hc0


○間宮券の使い道


昼下がりの甘味処間宮。

艦娘たちが出払い人気のなくなった店内に似つかわしくない客が二人いた。

白衣を着たモヒカンの大男。彼は軍医であるが、手斧を得物に刺々しいスパイクアーマーを身に付け世紀末を闊歩するほうがずっと似合って見える男だった。

そしてもう一人は彼の助手として雑事を任されるている妖精だ。

眼鏡をかけ白衣を着た妖精は身長50cmほどで栗毛のショートボブ。アンテナのような一本毛がぴょこんと丸まるように生えている。

今は小皿に移された生クリームの乗ったプリンを食べるのに夢中になっていた。

「うまいか?」

基本的に妖精の声は人間に理解できないが、何を言いたいのかは直接脳内に語りかけてくるような感覚で伝わってくる。

そうでなくとも様子を見れば一目瞭然だった。

モヒカンの軍医は凶悪な笑みを浮かべる。もっとも彼に他意はないのだが。

提督がモヒと愛称で呼ぶ男の前にはガラスの器に装われた山盛りのパフェがある。いや、あったと言うべきか。

器に盛られていたアイスやフルーツはすでにモヒに食べられ、残りも時間の問題でしかない。

静かな店内には妖精がスプーンをかたかた動かす音だけが小さく響いていた。

そんな店内に一人の艦娘が入ってくる。

スミレ色の髪をした小柄な少女で、前髪には三日月の髪留めをしていた。セーラー服の彼女は睦月型駆逐艦の三番艦、弥生だ。

財布を握りしめた弥生はカウンターでショートケーキを二つ頼み、それを受け取るとふんすと満足げに鼻息を出す。

席を探す弥生に対し、モヒは目が合うとゆっくりと手を振る。

弥生はそれに気づくと彼の前の席に、妖精の隣に座った。

艦娘たちの間にはちょっとした噂がある。

妖精を連れた軍医の誘いに応じると間宮券がもらえると。

そして弥生はそれが本当の話だと知っている。以前も一度貰っているからだ。その時は望月も一緒だったが。

もちろんモヒもただで間宮券を渡すわけではない。代わりに艦娘の話を聞きたがる。






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