過去ログ - 鳥海「司令官さんが木曾さんを冷遇している?」
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43: ◆xedeaV4uNo[saga]
2015/06/06(土) 13:02:25.17 ID:Fe+HFK8E0


 それを聞いても、すぐに言葉の意味が掴めなかった。
 島風さんは不服そうに続ける。

島風「もっと速く走れるのに、みんなに合わせてたら敵と同じ速さしか出せないんだよ。そんなの変」

 わざと言ってるのかとも思ったけど、そうじゃないのは彼女を見たら分かる。
 人の気も知らない、あんまりな反応に腹が立ってきた。
 やっぱり、この子は戦闘が終わった時に徹底的に叱っておいたほうがよかったんだ。
 遠慮なんて、いらなかった。

鳥海「なんです、それ。自分一人で戦ってるつもりですか?」

 島風さんが驚いた顔でこっちを見上げる。
 腰が引けるような素振りを一瞬見せたけど、すぐにふて腐れたように口を尖らせる。
 その態度がますます神経を逆なでする。

鳥海「あんな戦い方をしてたら次はもっと危ないの。あなただけでなく他の艦だって危険に晒すような真似なのに」

島風「そんなことない! 今日だって私が敵を引きつけたから鳥海さんも潮も怪我しなかったんだから!」

 その結果が大破。誰がそんな結果を望んだというの?
 大体、誰もあなたに囮なんて求めてない。一人で痛い目に遭って、怖い思いをすることなんてないのに。

鳥海「ふざけないで!」

島風「真面目だよ! 次は当たらないから、そうしたら今日みたいなことには――」

 全部言い終える前に体が動いていた。
 甲高い、水気のある音が部屋中に響いた。
 島風さんが息を呑んで震える手を頬に当てる。

島風「ぶったの……?」

 自分で声に出してみて、初めて何をされたのかに気づいたみたいだった。
 呆然とした顔に赤身が入って、瞳がじわりと濡れる。

鳥海「分からず屋には……何度でもします」

 本心とは違う言葉が出てしまう。
 小さく喉を鳴らして島風さんは俯く。
 震えたと思うと、そのまま逃げるように作戦室から飛び出すのを私は止められなかった。





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