過去ログ - 照「明日もし、あなたか私が壊れても」
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22:名無しNIPPER[saga]
2015/05/25(月) 01:16:34.40 ID:gts+G51j0


『白糸台〜白糸台〜』


電車のドアから出てきた少女は、あの頃の面影を残したままだった。

だから私は、それが直ぐに咲だと分かった。


咲「あ、お姉ちゃん…」

照「…………久しぶり」


それでも、5年ぶりにもなって再会した咲からはその成長の様が体全体から伺えた。

私とさほど変わらない背丈。

まだ小さかった手も足も、歳相応に大きくなった。

今では私の後ろを無邪気に付いてきたあの頃の咲は、もういない。

胸の方は…………遺伝か。


何を話せば良いか分からない私が無言で歩を進める中、咲も何も言わず隣に並ぶと私に付いてきた。

沈黙が二人の間を包む。先に口を開いたのは、咲の方からだった。


照「…………」

咲「えっと、お姉ちゃん…。元気でやってる?」

照「…………」


無言で頷く。


咲「そっか。良かった。元気なら何よりで…。……うん、私は…嬉しいよ」


にこやかに咲は笑顔を咲かせる。場を取り繕うような笑顔でなくて、心からの笑顔。

どうやら咲は別に私に対して悪い感情は持っていないらしい。

そりゃ、喧嘩別れしたとは言え咲はたった一人の妹だ。好かれるのに悪いことはない。

私は少し、胸を撫で下ろした。


咲「でも…。身に付けちゃったんだよね…」

照「?」

咲「あ、ごめんね。本当に、それだけ確認しに来ただけだから…もう、帰るね?お姉ちゃんも忙しいでしょう?」

照「…………え……」


意味深な言葉と予期せぬ言葉に、私は思わず振り返る。



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