513:名無しNIPPER[saga]
2015/05/26(火) 05:27:10.85 ID:5Odf4h8ko
恵「本人は公にしていなかったが、小鍛治君は当時から百合妄想士としてトップを走っていた。私はその情報を入手し、彼女にコンタクトをとり、和の教育係を依頼した」
界「それで……小鍛治さんは……」
恵「快諾してくれた。顔合わせの際に和本人が『どれほど百合を愛しているか』を力説したんだ。その時に和の生き生きとした表情を見て……即決だったよ」
恵「それからというもの、電話やメールを使ったり、あるいはこちらから出向いたりもした。小鍛治くんは和のために色々なことを教えてくれたよ」
恵「和はとても心を許していた。小鍛治君も和を可愛がってくれてな。楽しそうに話している2人はまるで姉妹のようだった」
界「……百合を通して結ばれる友情……これはいいものだ」
ハギヨシ「ええ」
恵「だが……私たち夫婦は和の成長に夢中になるあまり、気付かなかった。私たちの百合教育が和にとってとんでもない悪影響を与えていたことを……」
界「え……?」
ハギヨシ「悪影響、ですか?」
恵「ああ。私たちは百合教育とは別に、通常の教育もしてきた。一般家庭でやるようなものをな。初めての子育てでわからないことだらけの中、探り探りで頑張ったつもりだ。しかし…」
恵「……私も妻も百合妄想士。どうしたって百合を愛する気持ちが先立ってしまう。全ての物事に百合を見てしまう。情操教育も、食育も百合だ」
ハギヨシ「……それは仕方ないことかと。実際はほぼありえないと思いながらも、デパート売り場の女性たちが恋愛関係にある可能性を期待してしまうものです」
界「ああ。対立し、罵倒し合っているレディース――暴走族――も、裏では昼間の喧嘩を引き合いに出して互いの肉体を貪っていると信じたくなる……これは条件反射のようなもの」
恵「………そう言ってもらえるのはありがたい。だが、結果として私たち夫婦の百合教育のせいで和に辛い思いをさせることになってしまった」
界「辛い、思い……ですか?」
恵「ああ……」
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