605:名無しNIPPER[saga]
2015/05/26(火) 07:41:25.86 ID:5Odf4h8ko
えり「?三尋木プロ?」
咏「…………あ、あのさ」
えり「……はい」
咏「……このあと、暇?」
えり「はい、自宅に帰るつもりでしたので」
咏「だ、だったらさ……」
えり「はい」
咏「……わ」
えり「…………」
咏「私と美味しい物食べに行かにゃい!?」
えり「…………」
咏「…………か///」
咏(噛んだーーーー!!)
えり「……そうですね、行きましょう」ニコリ
咏「あ……う、うんっ!実はさ、すっごい美味しいかはしらんけ…………ううん、すっごい美味しいお店があるんよ。そこ行こ!」カランコロン
咏(ただ食事に誘うだけなのに、手に汗をかいた)
咏(自分を装わずにありのままで接する、それだけなのに)
咏(でも……)
咏(ただ食事に一緒に行けるだけなのに……こんなにも嬉しいとか……!)ニコッ
飄々と振る舞い、えりとのやりとりでは自重をかけずにいた咏。
それは傷付きたくない思いから生まれた自己防衛の一種だったのだろう。
拒まれたくない、嫌われたくない、という誰もが持つ恐怖心。
プロ雀士として鋭い感覚を持ち、さらに百合妄想士である咏は、拒まれた先の展開や気持ち、感情が予想できてしまい、必要以上に怯えていた。
そしてそんな自分の心と向き合う辛さから逃れるため、無意識に道化であるかのような飄々とした態度をとっていた。
そんな咏が、自分の言葉で声をかけた。
食事の誘い。
たったそれだけのこと。
しかしこれは大きな変化だった。
その証拠に、咏の心は今跳ねるように躍動している。
恋なら、ずっと前からしていたはずなのに。
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