過去ログ - 郵便配達員「須賀さんお手紙が届いてます」京太郎「はーい」
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973: ◆dIhERAk/UA[saga]
2015/08/13(木) 20:11:50.87 ID:VWLt/txI0
<咏アフター>


「それで……お母さんとお父さんどっちが勝ったの?」

「そうだねぃ」


娘の言葉に咏は、少しばかり考える。

言葉に詰まった訳でなく単純にあの時の事を思い出したのだ。

あの時、あの場所で咏は自分が勝ったら京太郎と別れるつもりで居た。

最後の最後で京太郎を追い詰めたのは自分なのだ。

どの面を下げて京太郎の傍に居ればいいか判らなかったのだ。


「お母さんがここにいるのが答えかねぃ」

「えぇーなにそれ」


頬を膨らませる娘を咏は、優しく撫でる。

そして視線を壁の方へと向ける。

其処には、一枚の写真と白い手紙が置かれていた。

写真には、白いタキシードを着た京太郎がウェディングドレス姿の咏をお姫様だっこしている。

2人は笑顔で幸せそうだ。


「ねぇねぇ……いつ生まれてくるかな?」

「ん〜だいぶ大きくなったからねぃ、1ヶ月位かな」


娘の言葉に咏は大きくなった自分のお腹を優しく撫でた。

2回目とは言えきつかった、それがまた幸せなのだが。


「楽しみ〜!あのね!あのね!妹が生まれてきたら一緒にいっぱいいっぱい遊んであげるんだ!」

「そうかそうか」


元気に父親譲りの金髪を揺らしながら咏譲りの笑顔で答えた。

飛び回るほどの大きく両手を広げアピールをしている。

2人が楽しげにしていると玄関から扉を開ける音が聞こえ、ただいまと声が聞こえる。


「おかえりさない!」

「お勤めご苦労さん」

「ただいま」


赤い赤いトレードマークの着物を揺らし京太郎が帰って来た。

娘は飛びつくように抱きつき大きな手で抱きかかえられた。

それを咏は椅子に座り微笑ましそうに見えていた。

大事な家族と話、笑い、触れ合う、人並みの幸せがそこにあった。


カンッ




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