過去ログ - 千早「みんなと笑って過ごしたくて……か」
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10: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/05/26(火) 14:15:50.97 ID:baGQKCcJ0
それから春香とほとんど話さない日が1週間程続いた。
前は、二人が会える日は、いつも夜遅くに事務所で待ち合わせていた。
春香からの着信が何度かあったけれど、それには返事をしなかった。
私は今までと同じように忙しいから仕方がないと納得させていた。

本当は口を開けば、言い争ってしまうんじゃないかとびくびくしていた。
私に迷惑をかけないように話を合わせて、暗い雰囲気をつくらないようにする春香に、
酷い言葉をぶつけて困らせてしまうんじゃないかとも思っていた。

良くも悪くも春香のことを考えて、
生活習慣はいつも以上に最悪のものになっていた。
見かねたプロデューサーが、
自宅で作ってきたチャーハンをライブ終わりに持ってきた時は、
さすがにこのままじゃ不味いのだと判断できた。

その日、たまたま午前はオフだった。
料理をしようにも材料が無くて、
重い腰を上げて近所のスーパーに買い物へ出かけた。

多少気分転換にもなると思ったけれど、
このタイミングで会いたくない人間とはいるもので、
私は顔を隠してやり過ごそうとした。

「千早……」

私と同じような辛気臭い顔をした女性に呼び止められる。

「なに……」

振り返らずに返事をする。

「……ご飯、食べてる? なんだか痩せたんじゃない」

「食べてるわ……大丈夫。気にしないで」

「……そう。あのね、千早……ちょっと話があって」

「ごめんなさい、今は話す時間なくて……」

そう言って、カートを押して離れようとする私の腕を彼女は掴んだ。





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