過去ログ - 千早「みんなと笑って過ごしたくて……か」
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2: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/05/26(火) 03:45:55.62 ID:baGQKCcJ0
こんなに感情を出せるようになったのも、
皮肉な事に彼女のおかげだった。
でも逆に、彼女は日に日に心を抑えるようになってしまったように思う。
同じ時間を過ごしてきたのに。
彼女にとって、それは我慢だったのだろうか。
彼女の声を全く聞けていなくて、今に至る。
屋上の扉を開くと、湿っぽく生温い風が前髪を揺らす。

「風、さっきよりでてきたみたい」

横髪を抑えて、春香が柵へと歩を進める。
手すりを掴んで、背中を反らせて夜景を見つめて。

「春香……」

「うん」

同じ物を見ているのに、
そんな気がしない。

「あの……久しぶり」

「ぷっ……遅いよ、千早ちゃん」

こちらを振り向かない春香。
揺れるリボンに、私は視線を向けていた。




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