1: ◆L3fW92fInU[saga]
2015/05/26(火) 17:42:44.01 ID:S3K1MflY0
地の文あり。大真面目にライラさんを甘やかすだけです。
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2: ◆L3fW92fInU[saga]
2015/05/26(火) 17:44:23.27 ID:S3K1MflY0
ライラ「P殿ー、お風呂先にいただきましたですよー」
P「はーい…ライラさん服、服着なさい」
ライラ「ライラさんのアイスはどこでしょうか」ガチャガチャ
3: ◆L3fW92fInU[saga]
2015/05/26(火) 17:47:12.16 ID:S3K1MflY0
ライラさんがうちに転がり込んできて1週間が経った。
1週間という期間はともかく、彼女がうちに来ること自体は今までもよくあった。それは大抵今月の食費が厳しい時や大きな仕事を終わらせた後で、そういうときはうちで一緒にご飯を食べるのが恒例になっている。
彼女はアイドルとして売れ始めてるし、特に贅沢を好むわけでもないのだが、何故か定期的に貧窮している。
4: ◆L3fW92fInU[saga]
2015/05/26(火) 17:48:29.63 ID:S3K1MflY0
1週間前、つまり「はじめてのキャンプ」の収録が終わった翌日、ライラさんが今日は一緒にご飯を食べたいと言うのでいつものようにうちに招待して晩御飯を食べさせていたときのことだ。
ライラ「キャンプ、とても楽しかったですねー。また事務所のみんなと行きたいでございますです」
5: ◆L3fW92fInU[saga]
2015/05/26(火) 17:49:22.12 ID:S3K1MflY0
このような流れで泊めたのだが、何故か翌日になってもライラさんが帰らない。むしろ事務所から一度家に寄って枕と着替えを持ってきた。
まあイベントの余韻でまだテンションが収まらないのだろうと判断してその日も泊めてあげたのだが、今思えばこれが判断ミスだった。
その日の夜、さすがにこれがずっと続くとまずいと思い明日はちゃんと家に帰るよう伝えたのだが反応が薄い。これは明日も泊まりに来るな、と思いちひろさんにメールしておいた。こういうことは大人の女性の口から注意してもらった方が効果があるだろう。それに俺ではどうもライラさんを甘やかしてしまう。
6: ◆L3fW92fInU[saga]
2015/05/26(火) 17:50:55.77 ID:S3K1MflY0
次の日、事務所でちひろさんとライラさんが話している声が聞こえた。
上手くやってくれただろうかと近付いてみれば、ちひろさんがライラさんを抱き締めて何やら喚いている。
ちひろ「うちにも!うちにもいつでも来ていいんですからねライラちゃん!」
7: ◆L3fW92fInU[saga]
2015/05/26(火) 17:52:21.65 ID:S3K1MflY0
結局そのままうちに居着き、今日で1週間になる。
最初は多少おとなしかったライラさんも今では半裸でアイスを食べていると思えば、なるほど随分この家が馴染んだものだ。
P「…いや馴染みすぎでしょ」
8: ◆L3fW92fInU[saga]
2015/05/26(火) 17:53:23.47 ID:S3K1MflY0
風呂
P(我ながら、さっきのはひどかったな…)
16歳の女の子に「ちゃんと歯磨きしろ」はいくらなんでも余計なお世話だ。しかしどうにも、彼女を見てると世話を焼きたくなってしまう。
9: ◆L3fW92fInU[saga]
2015/05/26(火) 17:54:43.49 ID:S3K1MflY0
P(故郷を離れての一人暮らしは想像以上に孤独なものだろう。ましてや彼女はまだ子供なんだ。もっと気にかけてやるべきだったかもしれないな…)
P(風呂から出たら何か話でも…そういえばライラさんはちゃんと歯磨きしたのかな。洗面用具は自分で持ってきてたから大丈夫だとは思うが…待て。そういえばシャンプーなんかはどうしてるんだ?)
P(まさか一週間俺の男性用のを使ってたのか。迂闊だった。年頃のライラさんの髪や肌に悪影響があったら大変だ。明日にでもお風呂セットを買い与えなければ)
10: ◆L3fW92fInU[saga]
2015/05/26(火) 17:56:12.68 ID:S3K1MflY0
居間
P「ライラさんスーパーに行こう」
ライラ「今からお買い物でございますですか?…はっ、まさか追加のアイスを」
11: ◆L3fW92fInU[saga]
2015/05/26(火) 17:58:24.03 ID:S3K1MflY0
ライラさんがうちに来てから2週間が経った。
今日はライラさんはちひろさんの家に泊まることになっていて、久しぶりに一人で夜を迎える。
先ほどちひろさんから「ライラちゃんうちの子にしちゃ駄目ですか」というメールが来たのでどう答えたものか悩んでいると、ライラさんからも「ライラさんよその子になっちゃいますよー」というメールが来た。
あまり冗談を言わない彼女にしては珍しい文面で、少し微笑ましい。
12: ◆L3fW92fInU[saga]
2015/05/26(火) 17:59:29.86 ID:S3K1MflY0
翌日事務所でデスクワークに勤しんでいると、ちひろさんがニヤニヤしながら近寄ってきた。昨日の仕返しをされるのだろうか。
ちひろ「いやーPさんもすっかり自分に素直になっちゃって。『うちの子』ですか」
P「言葉の綾ですよ…昨日はどうでした?」
13: ◆L3fW92fInU[saga]
2015/05/26(火) 18:00:31.03 ID:S3K1MflY0
ちひろ「一応お聞きしますが、Pさんはもしかして『2週間前までライラちゃんに十分に構ってあげてなかった』という認識なんでしょうか?」
P「えぇまあそうですが…あ、いや実際は1週間前くらいまでですね。一緒に住んでても気が付いてあげられないことも多くて…」
ちひろ「………これはライラちゃん本当に幸せ者ですねー…」
14: ◆L3fW92fInU[saga]
2015/05/26(火) 18:02:37.88 ID:S3K1MflY0
1日ぶりにライラさんがうちに戻ってきた。もはや完全に定住の構えだが、実際問題どうしたものか。
二人で暮らすこと自体は正直この2週間でだいぶ慣れてしまい、今更大きな問題は発生しそうにない。
事務所と彼女の母親の許可も下りており、彼女本人も住み続けることを望んでいる。
…あれ、後は俺の気持ちの問題なの、か?
15: ◆L3fW92fInU[saga]
2015/05/26(火) 18:03:38.49 ID:S3K1MflY0
ライラ「それではこれをどうぞー」
P「…『ライラさん肩たたき券』?なにこれ、って文字通りだよね」
ライラ「ライラさんはP殿からもらってばっかりですから、何かお返しがしたかったでございます。そのことをチヒロさんに相談したら、P殿はお仕事でいつも疲れてるから肩たたきはどうかとアドバイスをくれましてですねー」
16: ◆L3fW92fInU[saga]
2015/05/26(火) 18:04:40.70 ID:S3K1MflY0
なんだろうな、娘を持つってこういう感覚なんだろうか。ちひろさんグッジョブ。今度ご飯奢らせてもらおう。
さっきまで悩んでたのが嘘のようだ。ライラさんがいなくなったら俺死ぬんじゃないか?うちの子はもしかして世界で一番かわいいのでは?
…いかん、完全にトリップしていた。俺は何をしていたんだっけ。
ライラ「あー…P殿はテクニシャンですねー…ライラさんポカポカが止まりませんよー…」
17: ◆L3fW92fInU[saga]
2015/05/26(火) 18:05:41.29 ID:S3K1MflY0
ライラさんがうちに来てから1ヶ月が経った。
あの日以降、ライラさんからの距離が近い。物理的に近い。
ライラ「P殿ー、今日のライラさんも絶好調でしたー」
18:名無しNIPPER[sage]
2015/05/26(火) 18:06:16.78 ID:ZaKefEBw0
微笑ましいな
19: ◆L3fW92fInU[saga]
2015/05/26(火) 18:07:48.67 ID:S3K1MflY0
ライラ「あっ、あぁー…アォゥ…」
見ればライラさんがすごい顔になっていた。俺はまたライラさんの頭を撫でながら考え事をしてしまったらしい。
周りのアイドル達が若干引いているのが分かる。ちひろさんもっと早く止めてくれていいんですよ。
20: ◆L3fW92fInU[saga]
2015/05/26(火) 18:09:17.50 ID:S3K1MflY0
ちひろ「Pさんって親バカ度上がりましたよね」
P「なんです急に…親バカ度?」
先日、ライラさんへのアドバイスのお礼としてちひろさんを飲みに誘ったときの会話である。
21: ◆L3fW92fInU[saga]
2015/05/26(火) 18:10:20.51 ID:S3K1MflY0
P「そうですか?でも実際に孤独に耐えかねてうちに来たわけですし…最近はどこに行くにも付いてこようとするんですよ。ちょっとコンビニ行くのにも必ず一緒に来るんです」
ちひろ「はいはい可愛いです可愛いです。ライラちゃんは別に我慢してたんじゃなくて、単純に今までよりPさんが好きになっただけだと思うんですよねー」
P「い、今まで好かれていなかったと…!?」ガタッ
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