過去ログ - 心「総選挙50位以内に入れないアイドルはクビ…ですかぁ☆ってオイ…マジ?」
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5:名無しNIPPER[saga]
2015/05/26(火) 18:42:45.30 ID:Aawvow58o
 ……。 

 いやまぁ、薄々こんな結果になることは勘付いてたんだけどさぁ。

 思えば、アイドルの、いの一番の晴れ舞台ともいえるデビューイベント。
 ショッピングモールの吹き抜けに設置されたステージ、346プロ新人アイドルお披露目会。

──あ、浅利七海れす〜、せ、世界初のお魚、アイドル目指してます〜。

 同時期にスカウトされたはぁとより若い子たち。
 緊張で、油が切れたロボットみたいにギクシャクした自己紹介を終えて舞台袖に帰ってくる。

 はぁとの番が回ってきた。
 この日のために、試行錯誤したすえに編み出した必殺☆悩殺のキャラを披露するときがやってきた。

 ステージの中央に立って、大きく息を吸い込んで、言った。

──はぁ〜い♪ アナタのはぁとをシュガシュガスウィート☆ さとうしんことしゅがーはぁとだよぉ☆



 思いっきりスベった。



 舞台袖に戻ったときの、スタッフたちの引き攣った表情が、すべてを物語っていた。
 このとき、新人を担当するプロデューサーはやわらかに笑って、「これでいいんです、心さんはこれからです」なんて慰めてくれたっけ。

──そ、そーだよねー♪ はぁと失敗しても気にしなーい☆

──はぁと、この厳しいアイドル界を生き残っていくぅ☆ そのためならはぁと何でもしちゃう☆ 裏工作とか☆

 プロデューサーは苦笑いを浮かべて、
 「大丈夫です、そんなことしなくても、心さんは必ずブレイクしますよ」って言った。

──本当にぃ? それじゃはぁと頑張っちゃう〜♪

 それから、閑古鳥が鳴く商店街のイベントとか、地方のパチンコの店舗営業とか、僻地の町おこしのお祭りとか、地道に足を運んだ。

 増えてるか、減ってるかわからない、入れ替わっていくファン。
 練習量だけ積み重なって、一向に披露する場がないレッスン。
 次のステップに進むことなく、どれも似たり寄ったりな仕事内容。

 そりゃ、焦るって。歳が歳なんで。

 でも、このまま地道に続けていけば、必ずブレイクするきっかけを掴める。

 そう信じてた。

 そう信じて……たら……。




『──天下の346プロ神話崩壊』




「うおおおおおおおおおおおぃぃぃ!!!!」





 はぁとより先に、会社がブレイクした。


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