232:1 ◆0NR3cF8wDM[saga]
2015/06/24(水) 01:10:06.54 ID:g3jeJTzL0
演奏が終わり、涙で顔をぐしゃぐしゃにしたまま、私は合唱部のみんなに会いに行きました。
言いたいことが溢れていて、でも言葉にならなくて、どうにか、ありがとうとごめんなさいを伝えました。
そして、彼女たちからそれと同じ言葉をいただきました。
私が当時を後悔していたように、合唱部のみんなも、当時を後悔することがあったのだと聞きました。
自分で文章にするのは恥ずかしいのですが……
私の活動を見て、歌を聴いて、如月千早という人物の歌に対する気持ちがどれだけ本物であったかを、彼女たちは感じたのだそうです。
そして、それを理解しようとせずに拒絶した自分たちの行いを悔いていたのだと。
それから、私に負けないよう、認められるよう、練習を重ねて今回の大会にまで勝ちあがってきたのだと。
まるで自分の話を聞いているかのようでした。
誰かと寄り添うということ、仲間の大切さを知らずに、ただ自分の都合で合唱部を否定した当時の私。
許されるはずがない、そう思っていました。
でも、それはやはり私の自分勝手な思い込みだったのかもしれません。
……許してもらえますか?
私は、ずっと言いたかったことをようやく口にしました。
許します。合唱部の部長はそう言って、続けます。
……私たちのことも、許してもらえますか?。
はい、と言ったつもりだったけれど、きちんと言葉になっていたか自信はありません。気付いたら、私はまた泣いていて、彼女に抱きしめられていました。
少しして、落ち着いてから。
彼女は、また口を開きました。
……いつか、一緒に歌わせて。今度こそ。
もちろん、私に否やはありません。嬉しくて、今日だけで何度目か分からない涙が落ちそうになったけれど。
顔を上げて、彼女だけではなく、その後ろにいるみんなに聞こえるように私は伝えました。
いつか、歌いましょう、一緒に。
「約束」です!
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