5:1 ◆oNDhRi.Qoo[saga]
2015/05/27(水) 03:10:07.21 ID:onT9fHc40
目の前の信じがたい現実を、飲み込めないでいる。
そうやって考えていく内に、これまた信じがたい仮定だが、それでも先の案よりは現実的な答えが浮かんだ。
「……俺は、夢を見ていたんじゃないか?」
そう、俺は夢を見ていた。
これから勇者として使命を受け、旅立ち、世界を救うために戦う。
その重圧から、あんなおぞましい夢を見た。
そうだ。そうに決まっている。いや、そうであってくれ。
で無ければ、俺は非現実的な事実に飲み込まれて、指一つ動かせなくなってしまう。
そうして、俺は馬鹿馬鹿しい結論を真実として飲み込み、酒場を後にした。
本来であれば、いや間違えた。
俺が見た夢であれば、この酒場で仲間を探して、旅路を急いだ。
しかし、それは止めにした。
「……また、あんな夢を見たくはない」
夢は、夢なのだ。
そう思わなくては、そうでなくては、俺はもう進めない。
21Res/12.72 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。