7:1 ◆oNDhRi.Qoo[saga]
2015/05/27(水) 03:12:04.25 ID:onT9fHc40
やめろ、やめてくれ。
夢を、夢でいさせてくれ。
だから、目の前で、そうやって、ヘラヘラと笑いながら、現れないで、ヘラヘラと話しかけないでくれ。
「戦い方から察するに、お前、勇者だろ?奇遇だな。俺、勇者を探してたんだよ。あ、俺の役職は……」
「剣……士……」
「……あれ?俺お前に会った事あったっけ?」
「ッ!!?」
彼にそんな気がないのは分かっている。
初めて会った人間に、役職を言い当てられれば、誰だって、似たような事を言ったと思う。
それでも、今の俺に、その言葉は深々と刺さってしまった。
「……いや、腰に剣を携えていたからな、勘だよ」
「……お前、なんだか苦しそうだけど、大丈夫か?」
剣士が、心配したのか手をこちらに伸ばした。
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