過去ログ - なあ俺の作る話って、そんなにつまんねえのかよ
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10: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/05/28(木) 00:37:20.26 ID:hyG6dcG2o

 そうこうしているうちに海の底が次第に近づいてきていた。
 ヘイナビインコ、こっからどうするよ。
「材料探せ」
 そりゃ分ってるよ、どこにあるかどれ使うか聞いてんだ。
以下略



11: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/05/28(木) 00:38:00.81 ID:hyG6dcG2o

 仕方なく俺は泡の一つを捕まえる。
 それから海藻、巻貝の殻。
 揃ったところで一つにまとめ、そっと胸の高さで手を離す。

以下略



12: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/05/28(木) 00:38:34.69 ID:hyG6dcG2o

「完成だカス」
 俺はそれをじっと見下ろす。
 綿密な観察の後、素直に疑問を口にした。
 なあこの話って一体誰にウケるんだ?
以下略



13: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/05/28(木) 00:39:12.93 ID:hyG6dcG2o

 なんといやいいのかそれは、反応に困る話だった。
 セキセイインコの生まれてから死ぬまで、と一言でいえばそんな感じだ。
 グロい肉塊が卵からこんにちはしてしなびた肉塊として野にさよならするまでの一連を克明に執拗に描いた超傑作、とナビは言う。

以下略



14: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/05/28(木) 00:39:48.28 ID:hyG6dcG2o

 舌打ち一つ、俺は海底を歩き出す。
「どこ行くカス」
 うっせマジもんの大傑作を今から作りに行くんだよ。
 もちろんテメエにゃ頼らねえ。さっさと消えろヘボインコ。
以下略



15: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/05/28(木) 00:40:24.13 ID:hyG6dcG2o

 とはいえナビなしで作れるほど、俺単体に力はない。
 とぼとぼ歩いていると目の前に、ごつごつとした岩場が広がった。
 岩場にゃ魚がよく住み着く。魚は話のよい材料になる。
 ただし俺一人では捕まらないのは言わずもがな。
以下略



16: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/05/28(木) 00:41:09.53 ID:hyG6dcG2o

 まあ知識としては知っている。あれは海賊船だ間違いなく。絵本かアニメで見たことはある。
 ただし作話の海の中でとなると話は別だ。こんなものがいるなんて俺は聞いたことがない。
 俺はウツボを放って海賊船に近づいた。そうっと刺激しないように。

以下略



17: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/05/28(木) 00:41:36.19 ID:hyG6dcG2o

 無事に着いた甲板の上、別に何があるわけでもない、枯れたジジイがいるだけだ。
 今にも死にそうな声でそいつは言う。
「お前は何者だ……」
 うんにゃ。ただの通りすがり。
以下略



18: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/05/28(木) 00:42:06.59 ID:hyG6dcG2o

 俺は即座に素材を集めた。塩の結晶と流氷と、それから海底の真白い砂。
 ナビがいなけりゃ話はつくれねえんだが、食いもんぐらいならわけはねえ。
 そうしてできた笹団子をジジイはペロッと平らげた。
「助かったよありがとう」
以下略



19: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/05/28(木) 00:42:59.12 ID:hyG6dcG2o

 俺は早速ふたを開けた。
 途端周りの空気が猛烈に回転して、視界いっぱいが紫に染まった。
「言い忘れておったが話の素はその容れ物だ」
 遠くから聞こえる声に俺は怒鳴り返した。は!? だったか、あ゛!? だったか。
以下略



20: ◆i2.pJBgDO.[saga]
2015/05/28(木) 00:43:33.21 ID:hyG6dcG2o

 目を覚ますと俺は死にそうだった。
 というか半分くらいは死んでいた。
 体の水分が必要量の下限を割ってんだから当たり前と言えば当たり前。
 砂漠のど真ん中にて、俺はうららかな殺人日光に焦がされていた。
以下略



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