過去ログ - 艦隊これくしょん 〜艦これ〜 Bright:金剛
↓
1-
覧
板
20
8
:
◆li7/Wegg1c
[saga]
2015/05/30(土) 14:31:15.26 ID:uxiL7peg0
深海棲艦と呼ばれた海の怪物達。この脅威をどのように扱うかは各国で意見が分かれた。
人間やクジラそっくりな見た目、そしてわずかながら人語を話すなどの特徴から知的生命体なのではないか、と考える一派もあった。無論、だからと言
って愛する人々を奪われた多くの遺族が納得するはずもない。世論の大半は『深海棲艦殲滅論』に染まっていった。
だが、そんな中でもとある過激派動物愛護団体はこれが海の生き物たちの化身であると主張し、各国海軍を妨害しつつ独自に和平交渉を試みた。幸いにも、その試みは実を結んだ。交渉に赴いた船が沈み、全てが血に染まるという結末で。皮肉にも、彼等の犠牲によって世論は完全に深海棲艦殲滅論に固まった。
共存できない、あまりに被害が大きすぎるこの怪物を叩くべく、各国の軍隊が対策に当たった。
だが、深海棲艦を人間の兵器で倒すことはできなかった。彼等の攻撃は全て無駄に終わった。どんな爆撃も、どんな兵器も、何一つ深海棲艦には通じな
かったのだ。
加えて、その神出鬼没な攻撃が人類を苦しめた。人工衛星やソナーである程度の居場所や大集団の存在などは認知可能ではあった。だが、深海から現れるこの怪物達は予測できない地点や場所に現れては街や人を無差別に殺戮していった。その神出鬼没ぶりは多くの人々を恐怖に陥れた。
人類にとって不幸中の幸いであったのは、この怪物達は一定時間海域を離れると身体が罅割れる性質を持っていたことだ。その性質のせいか、海から
10km以上離れた地点には襲撃ができなかった。
ならば海から離れれば問題ない。確かに自分の命だけを守るならば、それでも問題はないだろう。だが、国家という単位の問題となると話は別だ。交易
や物資運搬は、どうしても空路――その空路でさえ、時たま深海棲艦の対空砲火によって破壊されることもあった――と陸路のみでは限界がある。まし
てや資源に乏しい島国では尚更のことであった。
だが、いかなる手段を用いても深海棲艦には全く対処できない。
封じられた交易。国と国との交流は絶たれかけ、交易は徐々に衰えていった。
誰もが人類の終焉を予感した。
ある者は深海棲艦の殺戮を恐れて内陸へ移り、またある者は諦観して死を待つことにした。暴徒と化して略奪に走る者もいれば、またある者は終末を謳
う教祖を気取った。
世界は、緩やかに絶望に包まれつつあった。
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
263Res/273.78 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - 艦隊これくしょん 〜艦これ〜 Bright:金剛 -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1432963201/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice