8: ◆KBU2gmJaeI[saga]
2015/05/31(日) 12:56:16.87 ID:BddpLKq50
予想外の返しに鈴谷は一瞬、動きが鈍くなる。その僅かな間があだとなった。
いつも優しげに微笑む提督はそこにはいない。何とも形容しがたい威圧感を身にまとい、鈴谷に近寄る。
その度に鈴谷は一歩、後ずさる。
だが、ここは小さな部屋の中。すぐに壁へと追い詰められた。
鈴谷「え? え? 提督!?」
鈴谷のそんな声も無視して彼は顔を近づけた。ドン! と顔を挟むようにして両腕を壁に突き、逃げ場を奪う。二人の距離は目と鼻の先。
「て、提督!? な、何してんの!?(近い近い近い近い近い! 顔が近いよぉ!///)」
「何って……鈴谷が触っていいって言ったんだろ? だから、これからじっくり試させてもらおうと思ってな。なに。出張は明日だ。夜まで時間はたっぷりある」
「よよよよ夜!? 夜戦!?(どどどどうしよう!? いつも演技してるのがバレちゃう! 夜戦なんて経験したことないのに……!)」
「ああ。……鈴谷は嫌か?」
「い、嫌じゃないけど……その……初めてだしゴニョゴニョゴニョ……」
「嫌じゃないなら……いいだろ?」スッ
「ひゃっ」
提督は左手を紅潮した初心な少女の頬に添える。視線が重なる。鈴谷は覚悟を決めて、瞳を閉じた。
提督もそれを見ると、さらに顔を近づけ――
「いたッ!」
彼女の額を指ではじいた。
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