23:名無しNIPPER[sage saga]
2015/06/07(日) 20:28:34.28 ID:/wg+rTe60
鳳翔「あれ?おかしいですね……。番頭さんを待っている筈ですが」
鳳翔さんが首を傾げる。
提督は部屋にいないという事は無いだろう。部屋の中からペンを走らせる音がするのだから。
部屋にいるのに返事をしない。それはこちらを歓迎するつもりはない、ということなんだろうなぁ。
しかし、ただ返事を待って部屋の前でぼーっとするのも時間の無駄だ。
「本日付でキサラギより配属となりました、番頭です。失礼いたします!」
今度は返事を待たず扉のノブを回す。鳳翔さんは少し戸惑っていたが、まぁしょうがないか。
そうして開け放たれたドアの先には、提督と思われる男性が机の上で書類を書きあげていた。
無断に入ってきた僕を睨むように見据える。心の中で小さく溜息を吐いた。
鳳翔「提督、いらしてたんなら返事ぐらいしてください」
鳳翔さんの窘めに提督とよばれた男はからからと笑った。
やはりこの男が提督のようだ。
提督「はははっ、悪い悪い。仕事に集中していてな」
ペンを置くと、提督は椅子から腰を上げ、ゆっくりとこちらへ歩いてきた。
提督「お前が番頭だな。今日からよろしく頼む」
僕の前まで歩いて来ると、敬礼の態度をとる。
しかし、そんな態度を取る男の瞳の内には親愛の文字は一つもなかった。代わりに映っていた物は
敵意、そのものだった。
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